(株)岩波書店と大日本印刷(株)はブレイングループ3社と共同で、『CD-ROM
星の王子さま』日本語版の制作を開始したと発表。'98年3月の発売予定で、Windows95とMacintoshに対応。価格はCD-ROM版が4600円、それに本が付くCD-ROMブックは5700円。
現在フランスで、『ルル』で有名なフランスのマルチメディア作家ロマン・ビクトール=プジュベ氏が、フランスの作家サン=テグジュペリの名作『星の王子さま』のCD-ROM化の作業を進めており、'98年1月に仏ガリマール社より発売される予定。日本語版は岩波書店と大日本印刷が共同企画、(株)ブレイン、(株)サテライト、(株)東北新社のブレイングループ3社が制作を担当する。
今回の制作発表はフランス大使館内、フランス大使公邸で行なわれた。本来、商業的な目的ではいっさい開放されないのだが、今回はフランスの代表的な名作『星の王子さま』を題材にしたものであること、また『ルル』や『戦場のテディ・ベア』など、フランスはマルチメディアに力を入れていることなどから、ジャン=ベルナール・ウーヴリュー駐日特命全権大使みずから出席。フランスの招待、というかたちで記者発表会が行なわれた。
同ソフトは原作を3Dアニメーション化、ナレーションと音楽がミックスされた作品。また、登場人物をモチーフにしたゲームやサン=テグジュぺリ氏の人と作品の紹介なども盛り込まれた内容となっている。
日本語版は野沢那智氏が飛行士を、牧瀬里穂さんが王子さまを演じることになっている。野沢氏は記者発表後のインタビューで次のように語った。
「今までタレント、声優、ミュージカルの演出などさまざまなことをやってきた。『星の王子さま』は自分がミュージカル劇にしたかったモノのひとつだったけど、ほかの人に先にやられてしまったことがある。そういう経緯もあって思い入れがあり、何らかの形で作品に関わりたいと思っていた。今回ナレーションの話がきて非常にうれしく思っている。ただ、全巻のナレーションと言うこと、さらに作者の伝記の部分の朗読もあると言うことで、非常にプレッシャーを感じてるんです。この作品はあまりにも有名すぎるし、それぞれの人の思い入れなどもあるだろうから、あまり癖を強くしすぎないようにし、聞き手に抵抗感がなく、少しでも中身の良さが伝わるようにしたい。映画2時間の吹き替えをするのに、準備に8時間かかるんです。今回のこのナレーションは、いつ録音が始まるかわからないけど、1ヵ月ぐらい本を持ち歩いて、そうとう読み込まないとね」(報道局 酒寄公子)
http://www.iwanami.co.jp/PetitPrince/(岩波書店)*
http://www.transart.co.jp/fumi/prince/(大日本印刷)*
*いずれも12月10日よりオープン