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[COMDEX]小型記憶メディア新製品clik!とMMC

1997年11月19日 00時00分更新

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 13日に先行発表されたiomega社の「clik!」が同社ブースに展示されている。clik!は直径約5cm、重さ10gのメディアを使うリムーバブルHDD。この小さなメディアに40MBのデータを記録できる。データの転送速度は700KB~1MB程度と低速だが、速度は問題ではない。clik!の最大の特徴はメディアの価格が9.95ドルという点で、これはclik!のライバルになる半導体メディアにとってはかなりの驚異だ。というのもiomega社が想定しているclik!の応用例にデジタルカメラがあるからだ。現在、デジタルカメラではコンパクトフラッシュ(CF)やミニチュアカードなどが主流になっている。小さく扱いやすいというメリットがある反面、容量を増やすと価格が高くなるというデメリットもある。たとえば半導体メディアの中でも比較的容量の多い30MBのCFは4~5万円する。これに対しclick!は40MBで10ドルという低価格を打ち出したわけで価格面でのアドバンテージは大きい。それを受けてか、すでにデジタルカメラメーカーを含む複数のデバイスメーカーがclik!のサポートを表明している。

 とはいえ、clik!を使うにはドライブを内蔵する必要があるわけで、デジタルカメラのような電源にシビアなデバイスに磁気メディアがなじむのかどうかは今後の製品動向を待つしかない。磁気メディアと半導体メディアの違いはあっても実際の使い勝手はそれほど変わらないはずだが、小さくてもHDDなので、イジェクトのタイミングなどの問題は残るだろう。

 実際にモノを見た感じでは、メディアは本当に小さく、記録層を持つ金属板もかなりラフな取り付けで、これでシビアな記録ができるのかどうか不安もあったが、ちゃんと動作していた。展示されたドライブはシリアル経由でPCに接続されるもの。TypeIIIのPCカード型のドライブも展示されていた。

 半導体メディアにも動きがある。CFの開発元であるSunDiskはSIEMENSと共同でMMC(MultiMediaCard)をclik!に先行して発表している。MMCはCFよりもふた回りほど小さい半導体メディアで、より小さなデバイスにも使えるのが特徴。ミニチュアカードに似ており、メディア自体は1.4mmと薄い。ただし、容量価格的にはclick!ほどのメリットはなく、2MBで26ドル、4MBで32ドル、10MBで45ドル程度となっている。PCカードに比べれば小さかったCFも今ではかなり大きな存在になっており、MMCはCFが載りきらないより小さな、かつ容量の不要なデバイス向けを狙っている。(月刊アスキー 浅野純也)

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