USBは、いまやデスクトップだけでなくノートパソコンにもごく当たり前に採用されるようになった。データクエストの調査によると'97年に世界中に出荷されたUSB搭載のデスクトップパソコンは5200万台に達するという。しかし、肝心のUSBに対応した周辺機器の出足が遅れていたのが現状だった。
米国で開催中の世界最大のコンピュータ関連の展示会COMDEX Fall
'97では、USB対応のパソコンが出回ってきたことに対応、USB関連製品を提供する企業56社が集結した「USB
パビリオン」や各企業ブースにおいて最新のUSB機器を紹介。ようやくUSB周辺機器市場が大きく動き出したことを印象づけた。
USB(Universal Serial Bus)は、もともとインテル、マイクロソフト、NEC、IBM、Northern
Telecomの7社が策定したインターフェースのこと。「PC97」にも必須インターフェースとして盛り込まれ、採用パソコンが急速に拡大した。これまで周辺機器ごとに個別に用意されていたインターフェース類を2種類(データ転送速度12Mbpsと1.5Mbps)のUSBコネクタだけでカバー、USBハブ機能を内蔵したパソコンまたはUSBデバイスにツリー状につなぐことで、一つのシステムで127種類のUSBデバイスの接続を可能にする。USBによって周辺機器の接続が飛躍的に簡単になるというわけだ。
今回展示されていたUSBデバイスとして、まず目をひいたのが、USBハブ機能内蔵型のモニタ。Philips、Samsung、ADIなど数社から発表されていた。また、USB対応のカメラも、KodakがDVC300を展示していた他、VLSI
VisionがUSBカメラを、XirlinkがUSB対応のデジタルビデオを出品。さらに、プリンタやスキャナなど既存の周辺機器をUSBポートに接続するためのコンバータも、Peracom
Networks、Accton Company、Central Dataなど数社から出品。
その他の対応製品としては、ジョイスティック(Thrustmaster社)、スキャナ(Logitech社)などの他、Altec
lansingという会社からUSB制御のサラウンドスピーカーシステムが、またDigital
Personaという会社からはUSB対応の指紋認識システムが出品されるなど多彩。また、あわせてUSBチップなどを組み込んだボード類も、Future
Technology Devices、Motorola、Texas Instrumentsなどから出品されていた。
これらのなかで、最も目立っていた企業のひとつがPhilips。USBハブ製品を中心に、USBモニタ、デジタルスピーカ、ワイヤレスキーボード、マウスなど多彩なUSBデバイスが紹介されていた。
多彩な周辺機器が提供され始めたUSB市場。今後の拡大が多いに期待される。(Undo編集部 守岡克郎)