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【Do Linux!に迫る】(その8)これからのLinux業界

2000年10月30日 01時19分更新

文● 吉川

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乾氏の写真を貼っています
話:(株)パソナテック Linuxプロジェクトマネージャー 乾幸一氏
[日刊アスキー] 本日はよろしくお願いいたします。まず、前回レッドハットの川田さんがおっしゃられたように、今後Linuxはインターネット関連のサーバだけではなくて、アプリケーションのベースとしての役割りも果たしていくことになると思うのですが、いかがですか?
[乾氏] そうですね。来年、オラクルのコースを始めようとしているのが、そう感じている表われです。カーネルが2.4になって、64bit時代になってくると、おそらくOracleも対応してきて需要が増えると思いますので、前もってこうした市場にも対応しようとしています。
[日刊アスキー] 今オラクルさんの話が出ましたが、私も含めてLinuxに関わっている人間としては、「Linux業界は人手不足が深刻なくらい大きくなってきているんです」といったお話を期待してしまうのですが、実際にLinux技術者というのはどの程度必要とされているのでしょうか? Do Linux!が開始されてから今まで、求人数の増加などはありましたか?
[乾氏] 求人という意味では、企業によってばらつきがあって、外部から人は採らないというところもありますし、逆に積極的に外部から人材を採りたいといったところもあるので、一概にはいえませんが、徐々に増えている、といったところです。ただ爆発的に伸びいてるかというとまだそこまでいってないでしょう。やはりUNIXやWindows NTが中心の業界がありますから。ただ、成長率という面では、ものすごく上がっているという印象はあります。
[日刊アスキー] 絶対数はまだ少ないけれども、グラフは右肩上がりというところですね。OSで比較すると、Windows NTと比べると、この規模というのはかなり小さいですか?
[乾氏] Linuxの市場や人というのは、やはり少ないですね。しかし意識の高い人がかなり来てくれて、“一緒に業界を作っていく”というと大げさですが、そういう人たちがかなり多いので、できるだけ希望に近い職種や企業に就いてもらって、こうした方が増えればいいなと思っています。  あまり受身な人だと、今のLinux業界に入っても厳しいと思いますし。自分から仕事を作っていかなくてはいけない状況ですから。また、自分から仕事を作っていく人が、Linux業界には多いのではないでしょうか。
[日刊アスキー] 多いと思いますね。
[乾氏] 逆に、これからLinuxをやろうという一般の方に関しては、ちょっと近寄りがたいといいますか、敷居が高いなと思わせる面が、前ほどではないにしてもあるかな? と思っています。こうした層に我々がうまく働きかける―橋渡しというわけでもないのですが―こうしたことができればと。Linux業界の方って「すごいなあ」と思うのですが、現在Do Linux!に来ている方がその人達と同じレベルで話ができるかというと、ちょっと難しい。そこでその間に我々がワンクッション入って、できるだけサポートするような形になれればと思います。
[日刊アスキー] 今「Linux業界人」といったお話が出てきましたが、乾さんから見たLinux業界とはどのようなところでしょうか? 私はパワフルな方が多くて、やる気がある人ならば面白い世界だと思うのですが。
[乾氏] 面白い業界ですよね。ただなんとなくビジネスっぽくなってきている気がしますね。端的な意見かもしれませんが。
[日刊アスキー] 私はすごく楽しい世界だなぁと思います。取材でいろいろな方にお会いできるわけですが、やはりアツい業界なのかなと。20歳近くの人で、「なにかやってやろう」と思う人には、ものすごく合っている業界だと思うのですが。そんな基準で職業を決めるのもなんですが。

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