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MicrosoftはLinuxに進出するか?

2000年10月28日 21時48分更新

文● 塩田紳二

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 カナダCorelに対してMicrosoftが出資を行なった。Corelは、今年2月に株式交換によりInpriseとの合併を計画したが、その後、株価の下落により、合併計画は破棄され、苦しい状態が続いていた。そして8月には、創業者でもあるCEOのMichael Cowplandが辞任。その後、Derek J. Burneyが暫定CEOとなった。

 そのCorelに対して、Microsoftは1億3500万ドルの投資を行ない、Corelの株24.6%を手に入れた(ただし議決権はないという)。この投資に対して、Corelは、Microsoftの.NET向けの製品の開発やテストに協力する。また、このときの契約によると、Microsoftは、.NETアーキテクチャをLinuxに移植するようにCorelに指示でき、このとき、Corelに対して.NETのソースコードへのアクセスを認めるということになっているらしい。

 Corelは、昨年あたりからLinuxに注目しており、PC用のアプリケーションであるCorel OfficeなどのLinuxへの移植や独自のディストリビューション開発などを行なっていた。ある意味では、Linux系に転身した企業である。

 Microsoftの.NETとは、簡単にいってしまえば従来のWindowsやアプリケーションの機能をネットワーク経由で提供するように作り替えるもの。ある意味、パッケージベースのバイナリ販売から、インターネットベースのサービス提供へMicrosoft全体のビジネスをシフトさせるかもしれないものだ。

 ただし、この.NETの発表は今年6月に行なわれたものだが、実際には、プロダクツのサービス化への方向は、Internet Explorerの統合化(IE4)の時点で出てきたものだ。それからMicrosoftは、開発言語などでHTMLベースのGUIを使えるように改良したり、同社のオブジェクト間通信プロトコルを改良するなどの開発を続けてきた。そして、それを具体的な目標として発表したのが、.NETなのである。

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