( ばんび)
パッケージ専門のお店に行って見るとLinuxパッケージが充実しています。ソフトパッケージは、Red Hat Linux、Linux-Mandrake(米国版)、Corel Linux OS等を見かけました。それぞれ約3000ルピー(約6900円)程で売られています。しかし、インドの物価から考えるとソフトパッケージは高価なものとなるので、誰もが買えるというわけありません。
インドのPCショップ |
たとえば、地元のローカルレストランで、チキンカレー、ナン(インド風パン)、タンドリーチキンのハーフ、ペプシを2本飲んで合計150ルピー(約345円)、ミネラルウォーター1本5ルピー(約11円)、チャイ一杯3~5ルピー(約6~11円)、中級ホテルで8時間タクシーを借り切っても650ルピー(約1500円)というインドでは、そんな値段のOSは高価過ぎる。ソフトパッケージなんてそうそう売れないでしょう。英語版はインドで利用価値が高いので、各国から流通を通じてインドで売る、売りたいという気持ちは理解できますが(苦笑)。まぁ、PR程度に置いているといえけばそれまでですが……でもそれらを目の前に思わず唖然としていた私でした。インドでLinux OSはPC雑誌についてくるFree版で十分というのが現状なのではないでしょうか(私もこの現状なら間違いなくFree版を選びます)。
インドでは安定してさえいればユーザーがどんどん使います。Red Hat Linuxといえども、Linux-Mandrakeに市場を簡単に逆転されてしまうという現象もおこります。また、インドではディストリビューションの評価は厳しいものがあるようにも感じました。また、LinuxをクライアントOSとして利用しているのは学生も多く、Windowsから入ってLinuxを使うのではなく、「はじめて使うOSがLinux」という人がここでは多いのです。
Windowsなどの場合は、パッケージを自分で購入しなくてはなりません。これも簡単に買える金額ではありません。それなら、雑誌の付録でついているLinuxOSを使うしか選択の予知はありません。インドのLinuxerはゼロ環境から何の疑いもなくLinuxを使い始め、それを使いこなしている。アメリカや日本などの市場とは、違うものを感じました。ゼロから選択の余地なくLinuxを使いこなしていくこの国の人々はこれから将来どうなっていくのかとても楽しみです。遠い将来ではなく、その結果はすぐそこまで見えているようにも思えます。
(窪田 敏之)