Linux標準化団体の「Free Standards Group」は10月11日、Linuxにおける開発環境の仕様となる「Linux Development Platform Specification (LDPS) 1.0」を発表した。一般に入手可能なディストリビューションにおいて、アプリケーション移植性を確保するのが目的だ。
LDPS 1.0では、異なるディストリビューションでプログラムを問題なく動作させるために、開発ツールやライブラリのバージョンを規定している。ここでは最新バージョンではなく現時点で一般的に使われているバージョンが選択されているが、その理由は、最新版向けに開発すると古いシステムでは動作しないことがあるからだ。結果として、多くのディストリビューションの最大公約数をとった仕様になっている。
Free Standards Groupは、バイナリ形式でソフトウェアを配布する開発者に対して、LDPS 1.0に準拠することを勧めている。
LDPS 1.0で必須のパッケージは次のとおり。
- Linuxカーネル 2.2.[14~]
- glibc 2.1.[2~3]
- XFree86 3.3.[6~]
- ncurses 4.2/5
- GCC version egcs-2.91またはGCC 2.95.[2~]
- binutils 2.9.[1~].x
このほかに移植性を確保するためのガイドラインとして、C++におけるライブラリの取り扱いや、シェルスクリプトをテストすべきbashのバージョンなど10項目が規定されている。
LDPS 1.0に適合するディストリビューションは次のとおり。
- Caldera OpenLinux 2.4
- Conectiva Linux 5.1
- Linux-Mandrake 7.0
- Red Hat Linux 6.2
- SuSE Linux 6.4
- TurboLinux 6.0
- Debian GNU/Linux 2.2
- Corel Linux OS Second Edition
LDPSは、移植性を高めるための開発プラットフォームを規定しただけで、パッケージの互換性のようなディストリビューションの標準化を目的とする文書ではない。そちらの文書については現在Linux Standard Base (LSB)が活動しており、LDPSに取って代わる仕様を完成させる予定だ。