米AMDは10月6日、次世代プロセッサアーキテクチャ「x86-64」のシミュレータ「AMD SimNow!」をリリースした。BIOSベンダーやツール開発者、OS開発者などに対するx86-64対応ソフトウェアの開発サポートを目的としている。
x86-64はx86を64ビットに拡張したアーキテクチャで、大規模データベースなどに必要な4GB以上のメモリをサポートする。第1世代のプロセッサとしてコードネーム“Hammer”のリリースが2001年末に予定されている。
SimNow!の対応プラットフォームは、現在のところLinux版のみ。www.x86-64.orgでRed Hat LinuxとSuSE LinuxのRPMパッケージが公開されている。インストールには、Athlon-700MHz以上のCPU (推奨1GHz)や384MB以上のメインメモリ(推奨512MB)、ハードディスクの空き4GB以上などが必要だ。
SimNow!は、CPUやメモリ、ノース/サウスブリッジ、ディスプレイ、ハードディスクやフロッピーなど、PCの主要要素をすべてシミュレートする。そのほか、ログをとるためのデバイスや、レジスタなどの状態をリアルタイムに監視できるデバッガが付属するという。
すでにx86-64コードを出力するGCCやbinutilsがリリースされているため、今回のSimNow!のリリースで、とりあえずx86-64のコードをコンパイル/実行できるようになった。IntelのIA-64 Linuxと比較すれば開発環境の充実度はまだまだだが、AMDも着実に進歩しているといえる。