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日本のLinux市場に奇跡を起こすか?

Miracle Linuxはココが違う!!

2000年09月28日 18時40分更新

文● ASCII networkPRO編集部

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(2) Oracleデータベース用にカスタマイズされたインストールメニュー

 Miracle Linuxのインストーラは、TurboLinuxのものとほとんど同一であることは前述の通りであるが、いくつかのインストール手順で作業が簡略化されている。

 まず、一般にLinuxのインストールでは、ハードディスクのパーティションをどう切るかが非常に難しい問題だ。Oracle8iをインストールする場合には、実メモリの2~3倍のswap領域と、Oracle8iインストール用に0.5~1GBの「/u01」パーティションが必要であるが、Miracle Linuxではこれらのパーティション設定を自動的に行なう「オートパーティショニングモード」が追加された。なお、オートパーティショニングモードでは、既存のハードディスクの内容はすべて消去されてしまうが、Oracleデータベースを使おうというマシンをデュアルブートなどでほかの用途に使うとは思えないので、これはあまり問題にはならないだろう。

「オートパーティショニングモード」を選択することで、ハードディスクのパーティション設定を自動設定することができる

 また、「インストールタイプ」の選択画面では、「標準的オラクルRDBMS用サーバ」や「Apache利用オラクルRDBMSサーバ」「Samba利用オラクルRDBMS」など6種類から選択できるようになっている。

Miracle Linuxのインストールメニューの選択画面。「Apache利用~」を選択するとApacheに加えて、あらかじめOracleデータベース用にコンパイルされたPHPがインストールされるなど細かい配慮もされている

 なお「最小構成サーバ」ではX Window Systemがインストールされないが、Oracle8iのインストーラや各種ツール類はX Window SystemによるGUIを前提としているので、これらを使う場合は他のコンピュータの X Window Systemをネットワークを利用して使う必要がある。通常は、「標準的オラクルRDBMS用サーバ」を選択すれば問題ないだろう。

(3) Oracleデータベースのインストール支援ツールを用意

 Miracle Linuxでは、Oracle8iのインストールに必要となるユーザーの作成や環境変数の設定などを、GUIを使って対話的に行なう「Oracle 8.1.6インストーラ」を搭載する。これにより、初心者でも簡単にOracle8iをインストールできるほか、上級者も大幅にインストール時間を短縮できるようになった(なお、今月(※1)の付録CD-ROMに収録したBeta3では、Oracle 8.1.6インストールナビゲータの起動はできなかった)。

Oracle8i for Linuxのインストール作業を大幅に簡略化してくれる「Oracle 8.1.6インストーラ」を動かしているところ

 そのほかに添付される他社製ソフトとしては、Netscape Navigator 4.75やAPC PowerChute 4.5.2、「HDE Linux Controller 2.0 Express Edition」(ホライズン・デジタル・エンタープライズ社のGUIによるLinux設定ツール)もバンドルされる。HDE Linux Controllerについては、商用ディストリビューションでバンドルされるのは、Miracle Linuxが最初となる。

価格やサポート体制について

 Miracle Linuxの価格は、1サーバあたり5万円で、販売やサポートはすべて日本オラクルや日本オラクル販売代理店を通じて行なわれる。サポート内容については、他社のLinuxディストリビューションと同様にインストールが正常にいくまでのサポートとし、別メニューで年間保守サービスなどのサポートメニューが用意される。

 また、今後の予定としては、2001年前半期にIA-64対応版を、同年後半には大規模向けにクラスタ対応/パラレルサーバ対応を行なった「Miracle Linux Enterprise Edition」のリリースを計画しているという。

 なお、肝心のOracle8i for Linux R8.1.6については、8月30日から出荷を開始している。Miracle Linuxが動作するハードウェア条件については、現時点で明らかにされていないが、ミラクル・リナックス社では「Oracle8i for Linuxが動作する環境に準ずる」(128MBのメモリとインテルCPUを搭載したPC)ものとしている。

製品名 出荷日 製品形態 価格
Oracle8i Enterprise Edition for Linux R8.1.6 8月30日 シュリンクラップ 160万円 (8同時ユーザー/20クライアント)~
Oracle8i Workgroup Server for Linux R8.1.6 9月中旬 シュリンクラップ 20万円 (5同時ユーザー/10クライアント)~
※1 この記事はASCII networkPRO 11月号に携載されたものです

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