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Kondara MNU/Linux 2000試用レポート

2000年09月11日 20時41分更新

文● 植山 類

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 Kondara MNU/Linux 2000が9月9日発売された。Kondara Projectが6月19日にリリースしたKondara MNU/Linux 1.2を製品化したもので、最新のデスクトップ環境「GNOME 1.2」や「GIMP 1.1.24」などを備えた新鋭のディストリビューションだ。

 前バージョンのKondara MNU/Linux 1.1は、商用ソフトのバンドルを極力抑え、代わりに優待販売クーポンが付属する構成だったが、今回は初めから商用アプリケーションがいくつかバンドルされた。かな漢字変換システム「Wnn6 Ver.3」、和英・英和翻訳ソフト「翻訳魂」などがバンドルされている。

Kondara MNU/Linux 2000のデスクトップ画面
Kondara MNU/Linux 2000のデスクトップ画面。デフォルトのバックグラウンドは、Kondara MNU/Linuxのマスコットキャラクターだ。画面上部の幅の狭いパネルは、GNOME 1.2で新たに導入された「メニューパネル」というクイックアイセス用のパネルで、デスクトップの機能にアクセスしたり、ほかのメニューの項目を「お気に入り」に追加したりできる。ふつうのパネルと同じくアプリケーションのランチャやアプレットを置くことも可能だ
GIMPの起動画面GIMPも着実にアップデートされている。画面のバージョンは1.1.24。GIMPのバージョン付けはLinuxと同じポリシーで、マイナーバージョン(“x.y.z”の“y”の数字)が偶数のものが安定版、奇数のものが開発版なので、Kondaraに収録されたGIMPは開発版にあたる。開発版は不安定なことが多いので正式採用されることは少ないが、GIMPの場合は (1) バージョン1.1系列から機能が大幅に増えていること、(2)実用上問題ないほど安定していること、という理由で、開発版を採用しているディストリビューションが多い。なお、最新の開発版は1.1.25
Kondaraの設定画面
Kondaraの設定画面。GNOMEコントロールセンターの中で、セッション(KDE/GNOMEの切り替えなど)やXIMサーバ(入力メソッドの選択)、言語(コマンドの出力する文字列やGNOMEのメニューの言語)を、ユーザーごとに設定することができる。

 ユーザーインターフェイスから離れてみれば、高性能ファイルシステム“ReiserFS”を採用したのが目にとまる。このReiserFSは、Linux標準のext2fsと比較して、高速かつディスクの利用効率のいいファイルシステムだ。さらに、メタデータの更新を随時記録する「ジャーナリング機能」により、突然のハングアップでもファイルシステムの一貫性をチェックするプログラム“fsck”を走らせる必要がないので、ダウンタイムを大幅に削減することができる。

mountの出力結果
ReiserFSのメインのカーネルツリーへの統合は、Linux 2.4では見送られたが、現在Linuxで利用可能なうちもっとも高性能なファイルシステムといっていいため、非公式ながらこれを採用するメリットは大きい

 Kondaraの詳細な仕様は次のとおり。

商用バンドルアプリケーション

  • DynaFont (5書体)
  • Wnn6 Ver.3 Intel版/Alpha版 (日本語かな漢字変換システム)
  • 翻訳魂 (日英/英日翻訳ソフト)
  • System Commander Lite (OSマルチブートのためのユーティリティ)
  • ThinkFree Office (MS Office互換のOffice Suite)

 主要なソフトウェア

  • kernel 2.2.16
  • glibc 2.1.3
  • ALSA 0.5.8
  • XFree86 3.3.6 + X-TT 1.3
  • KDE 1.1.2
  • Enlightment 0.16.4
  • Sawmill 0.26
  • GCC 2.95.2
  • gtk+ 1.2.8
  • Ruby 1.4.4
  • Netscape Communicator/Navigator 4.73+日本語リソース
  • GIMP 1.1.24
  • XMMS 1.2.2

 電話/ファクス/メールによる90日間問い合せ件数無制限のサポートが付属する。受け付けは24時間365日で、対象となるのはインストールからX Window Systemが起動するまで。

 価格は定価1万2800円、実売は9月11日現在、1万円前後となっている。

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