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設立記念パーティーも開催

『Miracle Linux Standard EditionV1.0』が9月末に出荷(訂正版)

2000年08月28日 00時00分更新

文● 高島茂男

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 ミラクル・リナックス(株)は23日、サーバ向けLinux OS『Miracle Linux Standard EditionV1.0』を9月末から出荷すると発表した。価格は1サーバあたり5万円。あわせて、25日にはパートナー向けのセミナーと同社設立記念パーティーが行なわれた。

データベースとOSが出揃った

 Miracle Linuxは、日本オラクル(株)のデータベース「Oracle 8i」に最適化された、サーバ向けのLinuxディストリビューション。日本オラクルほかが出資して設立されたミラクル・リナックスが、ターボリナックスジャパン(株)と共同で開発した。22日に発表された「Oracle8i Enterprise Edition for Linux R8.1.6」とMiracle Linuxの2つがそろったことで、日本オラクルのLinux戦略がいよいよ本格的に始動する。

 Miracle Linuxは、ほかのディストリビューションと違い、クライアント用途は考慮していない。Oracle8iを利用するサーバ用途に特化しているのが特徴。NECをはじめとするハードウェアメーカー各社も、インストールモデルや動作確認を行なう予定であることを表明している。

 出荷にあたり行なわれたセミナーで、ミラクル・リナックスの矢野広一代表取締役社長は、「実体のある製品を来月、出荷する。インターナショナルデーターコーポレイションジャパン(株)(IDC)の調査では、今年にはサーバOSのシェアが7.2パーセントになると予想している。メーカー各社は、サーバの出荷でLinuxが占める割合として10から20に近い数字を挙げている。IDCの予想を大きく上回るだろう。実体があるものはブームでは終わらない」と、流行ではなく、Linuxが確実にサーバOSとしての地位を築きつつあることを説明した。

ミラクル・リナックスの矢野広一代表取締役社長

 ミラクル・リナックスのマーケティング本部の池田秀一本部長は、対SQL Server、対DB2の姿勢を明確にした上で、「OSやハードウェアを売るおまけではなく、適正な競争の世界で戦っていくのが、オラクル、ミラクルの理想」と語った。

 「Linuxはクライアントでは確かにまだこれからだが、サーバ用途では不足はない。安定していて、信頼性が高い“手離れのいい”サーバOSで、手が浮いた分は次の営業に行っていただける」と、安定性と信頼性をアピールし、ほとんどダウンすることなくサポートを煩わせないと述べた。

 サポートについては、「1件いくらではなく、年間約15万円で電話とファクスのサポートは無制限。バージョンアップ時にはバージョンアップ版を配布するサポートを行なう」(池田氏)とした。

 8月25日の本記事公開当初、誤った記述がございましたので、ここに訂正させていただきます。

  • 誤……バージョンアップ時にはパッチのCD-ROMを配布する有償サポートを行なう」(池田氏)とした。
  • 正……バージョンアップ時にはバージョンアップ版を配布するサポートを行なう」(池田氏)とした。

 読者の皆さまを始め、関係者各位にご迷惑をおかけいたしましたことを、深くお詫び申し上げます。

「初めての子供。生半可な成績では困る」

 セミナーの後には、日本オラクルの新宅正明社長をはじめ、(株)オービックビジネスコンサルタントの和田成史社長、ぷらっとホーム(株)の本多弘男社長らが出席して、設立記念パーティーが行なわれた。

 新宅氏は、「今日は大事なパーティー。初めての子供なんです。(ミラクル・リナックスは日本オラクルの)連結決算の対象となる。生半可な成績では困る」と、オラクル、ミラクル、そしてパートナー企業といっしょになってLinuxを盛り上げていくと語った。

日本オラクルの新宅社長。今週の月曜日、火曜日に行なわれた記者会見ではまだ常務取締役だった
ぷらっとホームの本多社長、「ここでまでリナックスが発展した。Windowsを使わなくても、オラクル、ミラクルでいける。オラクルが踏み切っていただいて感謝している」と乾杯の音頭で語った

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