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IBM Research、腕時計サイズ「スマート・ウォッチ」でLinuxとX11R6を動作

2000年08月08日 00時00分更新

文● 植山 類

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 IBMは、S/390などのハイエンドサーバからスーパーコンピュータ、そして腕時計サイズのデバイスまでLinuxを動作させようとしている。

 IBM Researchは8月7日、腕時計「スマート・ウォッチ」でLinuxとX Window Systemを動作させることに成功したと発表した。このスマート・ウォッチは、PCや携帯電話などとのワイアレス通信に対応しており、メールなどの受信が可能だという。また、カレンダーやアドレス帳、ToDoリストなどの機能も備えている。操作は、タッチスクリーンとホイールを組み合わせて行なう。

 スマート・ウォッチには、8MBのフラッシュメモリと8MBのDRAMが搭載されている。重さは44グラム、サイズは56mm(幅)×48mm(長さ)×12.25mm(厚さ)だ。日本アイ・ビー・エム東京基礎研究所がハードウェアのアーキテクチャとシステム設計を行ない、日本アイ・ビー・エム野洲事業所が基板を製造した。

 こういった小型デバイスでLinuxを使用する利点として、ソフトウェア開発が容易なことが挙げられるという。Linuxとその開発環境は広く普及しているので、学生や研究者、ソフトウェア会社が簡単に機能追加やアプリケーション開発を行なうことが可能だ。

 組み込み用途におけるLinuxの人気は最近急激に高まってきた。TCP/IPのサポートが容易であることや、ライセンス料を払わなくてよいということがその理由だ。Ericssonは今年末、組み込みRed Hat Linuxを利用したコードレススクリーン電話の発売を予定している。

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