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私たちは「えんぴつ」を作りたい!

サイボウズ、次の一手

2000年07月31日 16時26分更新

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[編集部] 次バージョンのサイボウズOffice 4はどうなるんでしょうか?
[青野氏] 現在は企画開発中ですが、いいものができます。社内α版みたいなのもありますが、これからドンドン作りこんでいきます。ただ、基本的な部分はOffice 3と比べて大きく変わりません。
[別府氏] われわれは直販をやっていて、お客さんの声がダイレクトに届きます。こんな機能をいれてくれとか、こんな機能はいらない、とかいう意見が膨大にあります。これらを分析して、新しいバージョンを作っているので、基本的にはユーザーが欲しがっている機能を付け、使い勝手を洗練していきます。現在「ユーザーがこんな機能があればいいのになあ」と、思っている機能が入ってくると考えていただければと思います。
[編集部] では、パーソナライズとか、Webメールのような、派手な機能追加はないと考えてよいのですね。
[青野氏] 企画段階なのでなんともいえませんが、基本的には使いこめばますます便利になるというソフトを目指しています。アドレス帳やスケジュールなどを紙の手帳の置き換えと考えるのであれば、私たちが作りたいのは「えんぴつ」なんです。習慣で思わず使ってしまうような、10~20年たっても飽きないソフトを作りたいですね。
[編集部] ASPへの展開についてはどうでしょうか?
[青野氏] 実は過去に2回試したこともあるのですが、サイボウズOfficeをそのままASPに展開しても、お客さんが喜ばないということはよく分かりました。サイボウズOfficeはやはり社内イントラネットでの利用が前提ですので、添付ファイルを掲示板にガンガンくっつけたりして使うと、インターネット上ではやはり動作が重くなります。つまり、サイボウズOffice自体はASPに向かないと考えています。ただ、これはASPという事業を否定するというわけではなく、ASPに向いたエディションを提供すれば、十分サービス可能ということです。
[編集部] それはライセンス上の話だけでなく、ASPバージョンも今後はあり得るということでしょうか?
[青野氏] 検討しています。問い合わせは確かに多いんですが、ほとんどはSIが自前でサイボウズのサーバをたててサービスを展開したい、というものです。でも、最近のエントリーサーバだったら10万円程度ですし、設定や管理も面倒でないんだったら、社内でサーバたてたほうが早いし、ASPよりも安いんですよね。そのことをエンドユーザーの方はわかっています。5年間使うと考えたら、1人につき1カ月60円ですからね(笑)。
[編集部] 最近は無料のグループウェアサービスも増えてきましたけど、こうした動きについてはどう思われますか?
[青野氏] われわれがサイボウズOfficeの最初のバージョンを出したとき、無料のCGIプログラムや掲示板なんていうのは世の中にいっぱいありました。それでも、なおサイボウズが支持を受けたということを考えると、お客さんが望んでいることは「お金払ってもいいからちゃんとしたことやってくれ」ということだと思うんです。お金を払っても、それ以上の効果を得られることを示せれば、きっと買ってくれると思うんです。イントラネッツさんや、eGroupさんとか、無料のイントラネットサービスが出てきたときは、ひょっとしたら売り上げ減るんじゃないかと思いましたが、まったく影響ないですね。むしろ、彼らのサービスを使うことで、イントラネットというものを知って、逆にサイボウズに流れてくるお客さんすらもいらっしゃいます。ちょっと前までは、TV放送が無料なのは当たり前でしたけど、今はBSやCSといった有料放送も着実にユーザー数を増やしている。お金払ってでも自分の見たい番組を見たいということです。この傾向はコンピュータ業界でも同じだと思います。


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