Apache Webサーバ Black Book |
発行(株)インプレス(http://www.impress.co.jp/)
本書を入手したのは、夜遅く家に帰ったら、Linuxを始めた娘がまだ起きていて、自分のLinuxマシンをWebサーバにしようとして悪戦苦闘していたのがきっかけです。とりあえず、直接Apache Webサーバを起動して、動くことだけは示したのですが、細かく教えるのも面倒だし、手頃な本はないかと思って手近の本屋で探すことにしました。
1年くらい前、Apache本がかなりまとめて出版されたことがありましたが、最近はほかにもいろいろ目新しい分野が次々にできるため、見つけにくい状況でした。まだLinux初心者の娘に与えるということで、詳し過ぎず、適度に説明もしてあって、金額的にも手頃なものということで選びました。
とりあえず娘に与えてようすを見ていましたが、とくに文句も言わなかったので、まずまずの選択ではなかったかと思っています。一応やろうとしていた設定なども本書によりできたらしいのです。
「Black Book シリーズ」ということで、“Black”なことが書かれているのかと期待して娘から返って来た本を読みましたが、Blackなことは何もありませんでした。少し詳しい入門書といった感じの本でした。全部で16章に分かれており、それぞれの章はApacheの何か特定の機能を中心に説明するようになっています。さらに各章は、数ページの「概要」と、「すぐ解決」の2つの節に分かれていて、ほとんどQ&A形式に近い構成になっていました。そのため、まとまった知識をきちんと順序立てて勉強するというよりも、ちょっとしたトラブルシューティングのための本という感じです。
また、原書はWindows版だったとあり、UNIX版の部分は翻訳時に加筆されたものとのことでしたが、かなりの量に及んでおり、共用版に改編したような感じになっています。WindowsでApacheを動かしたことはなかったので、本書を読むことで、ApacheのWindows版とUNIX版の違いを勉強できました。
本書は、1999年11月発行で、付属のCD-ROMのApacheのバージョンは1.3.9でした。今は1.3.14であり、新バージョン2.0のαリリースも始まっています。実際に動かす場合には、ダウンロードするか、新しいCD-ROMのApacheを利用すべきです。
時代の変化を一番受けやすい電子商取引の章は、読んでいて懐かしさを感じるような内容になっていますが、ほかの章については、本書の説明はまだ十分に役に立ちます。