多彩なツールキットの提供により柔軟性の高いPKIを構築可能
日本ボルチモア・テクノロジー
ボルチモア・テクノロジーはアイルランドに本社を置くPKIベンダーである。同社の製品は、エントラスト・テクノロジーとは対照的に、あらかじめ作りこまれたアプリケーションを提供するものではない。ユーザーはツールキットを使い、必要なアプリケーションを1から構築していく必要がある。これはコストがかかる作業だが、非常に高い柔軟性を持つため、世界的な規模をもつPKIの構築に適しているのが特徴である。
実際、全世界の金融機関における電子商取引の機構統一を目指すアイデントラスト(世界各国の金融機関が加盟する団体で、国内では三和銀行などが参加している)にボルチモア・テクノロジーの製品が採用されている。
同社の製品はPKIのベースとなる「Uni CERT Options」をはじめ、単なる実行環境の提供だけでなく、コンサルティングやホスティングなどを含んだ幅広いサービス体系となっている。そして、冒頭のようにツールキットが充実しているのが特徴。まず、既存のアプリケーションをPKI対応にするための「PKI-Plus」は、C++、Javaで利用できるAPIを提供する。また、S/MIMEの実現を提供する「Secure Messaging Toolkit」、SSLライブラリの「C/SSL/&J/SSL」、Java アプリケーション用の暗号化クラスライブラリ「J/Crypto」など豊富なラインナップを用意している。一方、アプリケーションとしてはMicrosoft Exchange/Outlook、Lotus Notes/Domino、Eudoraなどにセキュリティ機能を追加する「MailSecure」とその集中管理ツール「MailSecure Enterprise」がある。また、WAPに対応した携帯電話などによる、モバイルでのPKI環境を構築するための「Telepathy」という製品もユニークである。
ボルチモア・テクノロジーは昨年、米サイバートラストを買収した。サイバートラストとのシナジーで、今後はPKIのアウトソーシングサービスも展開していく予定だ。
問い合わせ先
日本ボルチモア・テクノロジーズ株式会社
http://www.baltimore.co.jp/
TEL:03-5212-3770