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Windowsエミュレータ「Wine」のロードマップ発表

2000年05月31日 21時12分更新

文● 沖中弘史

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 「Wine project」は、Windowsエミュレータ「Wine 1.0」リリースに向けてのロードマップを発表した。これは、「Wine」の開発情報を提供するWebサイト“Wine Development HQ″「Wine Weekly News #45」上で発表されたもの。

 Windowsエミュレータ「Wine」は、カナダCorelの「WordPerfect」や、米IBMの「IBM NetObjects TopPage for Linux(日本では『ホームページ・ビルダー』)」などでも使用されており、オフィシャルなリリースである「1.0」の登場は、1993年に開発が開始されて以来、長らく待ち望まれている。

 ロードマップの内容だが、具体的な日程などは含まれておらず、バージョン「1.0」のリリースへの条件が主な内容となっている。

 ロードマップでは、ベータ版として公開されるバージョン「0.9」が、一般に公開する前に解決しなければならない問題として、以下を挙げている。

  • ドキュメントの整備
  • Wine APIの整理
  • カナダのCorelによる「Wine」に対する改善のマージ
  • Wine上のWindowsアプリケーションが、ほかのWindowsアプリケーションを起動した場合のプロセスの管理方法の改善
  • 「Wine」のアプリケーションウィンドウの管理方法の改善

 リリース予定は、以下のようになっている。

  • 上記の問題が解決され、「Wine」の一般公開に必要な機能がそろった時点でフィーチャーフリーズし、ベータバージョン「0.9」としてリリース
  • 十分にバグフィックスし、安定した時点で「1.0」としてリリース

 また、「Wine 1.0」のリリースにより、同プロジェクトが終了するわけではなく、安定性の向上や、さらなる機能の追加を行なっていくという。そして、新しいプロジェクトとして、「GNOME」、「KDE」などのデスクトップ環境との統合なども考えているという。

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