米SGIは5月15日、Intelの次世代CPUアーキテクチャ“IA-64”に対応したコンパイラ“Pro64”をオープンソースでリリースした。ライセンスはGPLで、C、C++、Fortran90/95をサポート、GCCおよびG++との互換性を備えている。IA-64の第1世代のプロセッサとして、“Itanium”の出荷が今年後半に予定されている。
Pro64には以下のものが含まれる。
- Complete C, C++, Fortran 90 optimizing compilers
- Fortran runtime libraries
- Vector math library
- OpenMPTM support library
- Man pages
- Assign command
LinuxカーネルはGCC特有の機能を使っているために、GCC互換コンパイラでなければコンパイルできない。
Linux/IA-64の開発は、主要なLinuxディストリビュータなどが参加する“Trillian Project”によって進められており、すでにソースコードが公開されている。今回のコンパイラのリリースにより、Itanium出荷と同時にLinux/IA-64システムを稼動できる環境がまた一つそろった格好だ。
IA-64で採用されたEPICと呼ばれるアーキテクチャは、命令を同時実行できるようにコンパイラが最適化を行なう。そのため、CPUの性能をコンパイラが大きく左右するといわれている。現在のところ、Pro64はIA-32で動作するクロスコンパイラだが、近い将来にはIA-64でもネイティブに動作可能になる予定。