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Linux World Expo/Tokyo 2000展示会場レポート(番外編) 新人バイト 女子大生タカハシのLW2000日記

2000年05月17日 00時00分更新

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 LinuxWorld Expo/Tokyo 2000の初日、会場は所狭しとブースが並び、日本を代表するLinuxシステムベンダーやソリューションプロバイダー、各社のコスチュームを身につけたお姉さん、製品に真剣に見入る人たちの熱気に包まれていた。新人の私は、写真を撮りつつ、先輩の横で出展企業の方の色々なお話を聞いていたが、特に、Linuxをビジネスの中心に据えた若い企業の勢いを感じた。会社自体の規模はそれほど大きくないはずなのに、ブースも華々しいものが多く、ビジネスにかける強い意気込みを感じた。今までWebサーバとしての利用が主だったLinuxであるが、今後は基幹システム向けにも積極的に登用されるようになり、ビジネス市場でのOSの選択肢のひとつとして、その存在感がますます強まっていく可能性を実感した。

 さて2日目、私は取材としてではなく、Linuxの勉強をしている文系学部の大学生という普段の身分で会場を訪れた。今までもこういったイベントには参加していたので、立場の違いによる印象の差を探ろうと思ったのである。趣味で使う個人ユーザーにとって、Linuxのサーバとしての隆盛は自分には直接関係ない。すぐに自分の環境に還元できるような、OSそのものやアプリケーションの面白さのほうに興味を惹かれる。今回目についたのは、米ThinkFree.comの「ThinkFree Office」やカナダのCORELの「WordPerfect Office 2000」、またOSとしてはHancomLinuxも面白かった。しかしビジネス市場を意識した製品が多い中、個人ユースとして興味が惹かれるものを探すのは骨が折れたし、実際にあまりなかったように思える。そうなると抽選やノベルティ等、第3次的な要素に目が向く。ノベルティは貧乏学生にはありがたいものであり、毎回楽しみであるのだが、今回は午後に行ったため、Kondaraのsnap shotがもうなくなっていたり、コンピュータ・アソシエイツ(株)のペンギン人形を寸分の差でもらい逃したりと、あまり収穫は得られなかった。ちなみに、人形のために多くの男の人が列を成していたが、実際それをどうするのだろう。オフィスのマスコット? 誰かへのプレゼント?

 2日間にわたって会場は遅くまで熱気に包まれ、Linuxのビジネス市場での隆盛を確信することができた。個人的には、個人ユースの製品を集めたイベントがあれば面白いと思うけれど、それではスポンサーが付かないか……

 余談だが、会場はこんなに熱いのに、かたや普段の私の周りを見渡すと「Linux」という言葉を知っている人間はほとんどいない。しかし、そんな彼らもハードやプロバイダは真剣に選ぶ。一番核となるOSも自分で選ぶという視点を皆が自然に持つ時代はいつ頃来るのだろう。そのためにはキムタクが「Linuxは楽しい!」なんてCMで言えば手っ取り早いのではないかと真剣に考えてしまう時もあるが、そのような経緯でもしLinuxが流行ってもLinusさんやコミュニティの人たちは嬉しくないだろうな。



   

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