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LinuxWorld Expo/Tokyo 2000展示会場レポート(その1)

2000年05月12日 00時00分更新

文● 吉川

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 5月11日から12日の2日間、東京ビッグサイト(国際展示場)において「Linux World Expo/Tokyo 2000」が開催された。参加社は85社で、入場者数は2日間合計で2万4193名となっている。

 昨年(1999年)10月に東京ファッションタウンで開催された「LinuxWorld Expo/Tokyo '99」では、展示会場も小さく各ブースも「自社製品をLinux対応しました」といった内容が多かったのに対し、今回は「Linux上でいかに商売をしていくか、どのような製品を作っていくか」といった、明確な戦略が見て取れるものが多く、さらに各展示ブースも作りこんだ派手なものが目立った。出展社数が8社増、入場者数が9600人増となっている。

 また、ミラクル・リナックス設立の発表、VA LiNUX Systemsの日本進出、一太郎Ark for JAVAのソース公開など、ビッグニュースが飛び出すイベントでもあった。特に、VAとミラクル・リナックスのニュースは、今後国内のLinux業界に大きなインパクトをあたえることだろう。

米VA LiNUX Systems関連

VAブース全景

 以前から日本進出を公言していた米VA LiNUX Systems(以下VA)が、ついに「VAリナックスシステムズジャパン」設立を発表した。ブース内には、VAとともに合弁会社を立ち上げる住友商事(株)スタッフの姿もあった。日刊アスキー LinuxのLarry Augustin氏(VAのCEO)へのインタビュー(「VA Linux Systems社長兼CEOのLarry Augustin氏に聞く」参照-日本進出に関するコメントもあり)も、住商スタッフの紹介によるものだったのだ。

 本社からも、CEOのLarry Augastin氏をはじめ、数名のスタッフが来日している。その中のひとり、Market Development Manager Scott Mcneil氏に会場でインタビューしたところ、「VAはハードウェアベンダーだと思われがちだが、Linux.comの運営や、開発者サポートも含めてさまざまなLinux事業を推進しており、日本でもこうした事業を行なっていきたい」とのことだった。オープンソース企業として名高い同社の参入により、国内のLinux社会がより楽しくなる!?

1000写真VAの1Uラックマウント型サーバ「VA Linux 1000 1U」。Pentium III-500~600MHzを2つまで、メインメモリは1GBまで搭載可能となっている
FullOn 2200写真VAの2Uラックマウントサーバ「FullOn 2200」シリーズ。CPUはPentium III-600~750MHz、メモリは128~512MB。SCSIを標準搭載している
2200内部写真
「FullOn 2200」内部
MONKEY写真
ハードウェア(サーバマシン)が二重化構造をとり、LVS(Linux Virtual Server)によるロードバランシングがウリの「VA ULTRA MONKEY」
Spool写真
NECとの協業で実現したPDF文書対応Web文書管理システム「SpoolServer on Linux」。NECは、VAリナックスシステムズジャパンへの出資を行ない、サーバ開発をしていくという
東芝エンジニアリング写真東芝エンジニアリング(株)のブース。同社は、VAリナックスシステムズジャパンへ出資し、同社マシンのシステム保守事業を行なう
NTTコミュニケーションウェア写真
NTTコミュニケーションウェア(株)のブース。クラスタ製品などを開発する米PolyServe(http://www.polyserve.com/)と提携して製品を展示していた。5月11日午後には、PolyServeによるセッションも行なわれた
NTT2枚目写真同じくNTTコミュニケーションウェア(株)。VAリナックスシステムズジャパンへ出資し、VAのサーバを使った大規模システム開発を行なうことが発表されている。PolyServeのクラスタソフトウェアとともに注目される

日本オラクルほか

オラクル写真
日本オラクル(株)ブース。基調講演でミラクル・リナックス(株)(以下ミラクル)の概要が説明され、注目度も高かったはずだ。ブース内では、「ミラクル・リナックス準備室」スタッフも説明にあたっていた。ミラクル登場の真の目的は、国内Linuxビジネスシーン活性化にあるといえる
WebDB for Linux写真
「Oracle WebDB for Linux」。Oracleを使ったWebアプリケーションを、簡単に構築可能なツールのLinux版。一緒に写っているのは(株)アクアリウムコンピューターのサーバ群
Storm写真
日刊アスキー Linuxでもおなじみの、カナダStormix Technologiesも出展
池田氏写真
Stormix Technologiesのスタッフで、日刊アスキー Linuxに、コラム「Storm is coming. Let's close the Windows!!」を執筆している池田篤司氏
コーディングするスタッフ写真
Stormix Tecknologiesブースの傍らでは、展示時間内にも関わらず、SAS(Storm Administration System)のコーディングをしているスタッフが! 彼は初来日なのだそうだ。おつかれさまです
住商データコム写真
住商データコム(株)のブース。同社が販売するRAS(Remort Access Server)「CUTE 5000 EX1(写真右)」。PIAFS対応といった機能追加は、ハードウェアを変更せず、ドライバの対応(無償)だけですむという。写真左は、CUTE 5000 EX1に採用している米Digiの「DataFire RAS」

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