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(株)デジタルデザインと日商岩井(株)が販売提携。新製品発表記者会見レポートその2

Oracleへの接続を高速化するミドルウェア「FastConnector」

2000年04月23日 17時28分更新

文● 吉川

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 4月21日、(株)デジタルデザインと日商岩井(株)は、販売提携および新製品発表の記者会見を行なった。同記者会見で発表されたOracle用ミドルウェアをご紹介する。

寺井氏写真(株)デジタルデザイン 代表取締役社長 寺井和彦氏

FastConnectorとFCReplicator

 アクアリウムコンピューターの親会社でもある、デジタルデザインのOracle用製品が、「FastConnector for Oracle8i」(以下FC)と、「FCReplicator for Oracle8i」(以下FCR)だ。

 FastConnectorは、クライアントからOracleへのアクセスを高速にするためのミドルウェア。サーバ側に「FastConnectorサーバー」を、クライアントに「FastConnectorクライアント」を配置し、通信手段の最適化(Oracle Net8ではサーバ―クライアント間で複数のやり取りがあるのに対し、FCではそれらを1回にまとめる)を行ない、さらに国際特許出願中の圧縮転送プロトコルによってパケット数やデータ量を削減して高速化を実現する。通信はTCP/IPが通るネットワーク上ならばOKだ。

デモンストレーション写真
FCのデモンストレーション。FCを使わない通信に比べ、7倍近いパフォーマンスが出ている。FCは、取得する軒数が多いほど効力を発揮するという

 FCの謳い文句では、32k、64kbpsの速度でもLANと同じ高速性を実現するとしている。実際、記者会見席上でデモンストレーションが行なわれたが、PHSでサーバに接続したクライアントマシンで100件のデータを取得するのに、FCを使わない場合は7.147秒かかったものが、FCを使うと0.930秒しかかからなかった。こんなにいいものであれば、Oracle8iにインテグレートするか、バンドルすればいいのでは? という記者の意見もあったが、これについて日本オラクル(株)の佐野力代表取締役社長は、「サードベンダーにおまかせする」と答えた。

 FCのサーバが対応するOSは、

  • Linux
  • Windows NT
  • HP-UX
  • Solaris(Intel版のみ。SPARC版は対応予定)

で、対応するOracleは、R8.0.5だ。Oracle8i R8.1.5は対応予定だという。また、クライアントが対応するOSはWindows 98/95/NTである。

 次にFCRだが、これはFCを転用したものだ。FCはサーバ―クライアント間の接続に使われるものだが、FCRはサーバ―サーバ間を接続し、レプリケーションなどのパフォーマンスアップを実現する。

 FCとFCRの価格は以下のとおり

FastConnector for Oracle8i価格(5クライアント)

  • Linux版……5万円
  • Windows NT版……7万5000円
  • 商用UNIX版……10万円

FCReplicator for Oracle8i(2サーバ分)

  • Linux版……20万円
  • Windows NT版……30万円
  • 商用UNIX版……40万円

 このうち、Linux版がもっとも安くなっているが、これは、同社のLinux普及という方針に則った戦略価格になっているからだという。

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