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教育用OS「MINIX」がオープンソースに

2000年04月12日 19時08分更新

文● 沖中弘史

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 Andy Tanenbaum氏の開発した、UNIX風の教育用OS「MINIX」のライセンスが、より自由度の高い「BSD License」と同様の内容に変更された。

 これまでの「MINIX License」では、変更したソースコードを配布することはできないなどの制約があったが、新たなライセンスでは、ソースコードを自由に変更でき、無償、商用を問わずに再配布可能となった。

 今回のライセンスの変更は、4月7日、「MINIX」の開発者であるTanenbaum氏自身による、ニュースグループ“comp.os.minix″への投稿によって明らかになった。

 現在、「MINIX」の最新バージョンは2.0.2となっており、「MINIX INFORMATION SHEET」ページからダウンロードすることができる。以前のバージョンである1.5は、x86のほかに、MacintoshやSun SPARCなどのプラットフォーム用のものも用意されているが、2.0.2ではx86用のもののみ。

 また、Cコンパイラなどの開発環境は、「MINIX」以前にTanenbaum氏が開発に関わった「Amsterdam Compiler Kit(以下ACK)」を元に作成したものが用意されており、「MINIX」発表当時から利用されている。以前のバージョンのCコンパイラは、“ANCI C″に準拠していなかったが、現在は準拠している。

 x86用のバイナリ配布物は3つに分かれており、それぞれ、ROOT.MNX(490KB)、USR.MNX(740KB)、USR.TAZ(3.7MB)となっている。また、ソースコードの配布物は2つに分かれており、カーネルやライブラリなど、システム関連のソースコードは、SYS.TAZ(2.4MB)、ユーザーコマンドのソースコードがCMD.TAZ(3.0MB)。以前のバージョンの「MINIX」では、開発環境は別配布となっていたが、現在は、バイナリ、ソースコード共に開発環境を含んだ形で配布されている。

 日刊アスキー編集部で動作確認してみたところ、さしたる問題もなくインストールできた。マシンのスペックはPentium II-300MHz、メモリ128MB。作業は、ダウンロードしたファイルを、フロッピーディスク(全5枚)に書き込み、フロッピーディスクから起動、インストール、という手順になっている。

MINIXのブート画面
MINIXのブート画面

 Linuxの開発者、Linus Torvalds氏もかつては「MINIX」を使用しており、“comp.os.minix″での、Tanenbaum氏と交わされたカーネルの性能や開発方針などについての論争は有名。また、Linuxの開発初期、Linuxは「MINIX」上で開発されていた。「MINIX」をインストールして、Linux開発当時のTorvalds氏の気分を味わってみるのも一興ではないだろうか。

 以下に「MINIX」の参考書籍を挙げておくので、活用してほしい。

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