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Brother InternationalのプリンタがオープンソースOS「eCos」を採用

2000年03月23日 07時24分更新

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 インターネットアプライアンス用途などの組み込みOSとしてLinuxが脚光を浴びているが、もっと資源の制約が厳しい(そして目立たないという意味で地味な)用途にもオープンソースOSが使われている。Red Hatは、同社のリアルタイムOS「eCos」が、Brother InternationalのレーザープリンタHL-2400CeN、HL-3400CNに採用されたと発表した。

 リアルタイムOSとは、決められた時間内に処理を終わらせることを保証できるOSのこと。非リアルタイムOSのLinuxでは、カーネル内のクリティカルな部分では割り込みを禁止したり、状況によってはプロセスが長時間スケジューリングされないなど、決められた時間内に処理を終わらせることを保証できない。

 eCosは自身のAPIのほかに、ITRON互換APIも実装している。ITRONはメジャーなリアルタイムOSで、(eCosのFAQによれば)日本における同市場のシェアの50パーセントをITRONが握っているという。また、EL/IXというLinux API互換レイヤーも持っている。

 サポートするアーキテクチャは、ARM7/9/7T、Cirrus Logic EP-72xxファミリ、富士通SPARClite、日立SuperH、Intel StrongARMおよびx86、Motorola PowerPC、NEC VRシリーズ、Panasonic MN10300/AM33、東芝TX39。

eCosのライセンス

 eCosは、再配布を無料とする「eCos Public License」の元にライセンスされる。開発者は、eCosに対する変更をRed Hatに登録しなければならないが、eCosにリンクしたソフトウェアは公開する必要がない。

 無料でソフトウェアを開発して、Red Hatはどう儲けようというのだろうか? これはLinuxでも繰り返された質問だが、彼らのビジネスモデルは、開発サポートで稼ごうというものだ。マイクロプロセッサベンダーがeCosを新しいチップに移植したいのなら、Red Hatに頼むのが一番早い。また、組み込みマーケットのベンダーに対して、サポート付きのツールを販売したり、新機能追加を請け負うこともできる。

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