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インストールが簡単なのはもはやアタリマエ。Storm Linux 2000レビュー

2000年03月22日 00時00分更新

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 最近のディストリビューションは驚くほどインストールが簡単だ。Storm Linuxも例外ではなく、Corel LINUXほど簡潔すぎず、Debian GNU/Linuxほど詳細すぎないインストーラを装備する。ハードウェアはほぼすべて自動で認識されたのだが、サウンドチップ (ES1731) だけは認識できなかった。

 インストールはCD-ROMから行なう。FATファイルシステムやNFS、FTPからのインストールはできないので、CD-ROMドライブがない場合はインストールすることができない。Stormix Technologiesによると、次のメジャーリリースでCD-ROM以外からのインストールをサポートするという。

認識したデバイスのリスト
 CD-ROMからブートすると、マウスを自動認識して、グラフィカルなインストーラを起動することができる。まず画面に現われるのは、デバイスを認識した結果だ。テスト環境ではすべてのデバイスを自動認識できたのだが、なんとサウンドカードだけは「Device not in database」と言われてしまった。つまり、「存在することは分かるけど、それが何なのか知らない」状態だ。とりあえずサウンドはいらないので、このまま続行した。



Xの設定画面
 Xの設定手順は、Red Hat Linuxのそれに似ている。まず色数と解像度、モニタをリストから選択して、設定のテストを行なう。きちんと映ればそれでOKだ。今回のテストでは、リストから選択していくだけで容易に設定できた。



パーティションタイプの設定
 パーティションの切り直しは、初心者がもっとも迷いやすいところだろう。それを考慮してか、Storm Linuxは“custom”という「Linux初心者に推奨」している選択枝があるのだが、実はこれは、「ディスク全体をStorm Linuxで使用」するという選択で、同じディスクにあるデータがすべて消されてしまう。そのことを、ユーザーはフォーマットする直前のステップまで進まなければ気づくことができない。注意を喚起するメッセージが一番初めに表示されるべきだろう。

 ネットワークの設定は、IPアドレスを個定で割り当てる場合にだけインストール時に行なう。テスト環境ではDHCPによりアドレスを割り当てているので、インストール後に設定することにしてスキップした。



タイムゾーンの選択
 タイムゾーンの選択は、Slackwareのように大きい地域から順に選んでいく方法だ。Red Hatのように世界地図からクリックさせる方法ではないので見た目は地味だが、実はStorm Linuxの方式のほうが地域を選びやすいと思う (Windowsも、世界地図は表示するとはいえ選択はドロップダウンリストから行なうのだ)。

 タイムゾーンの選択では、面白いものを一つ発見した。なんと日本に“Asia/Ishigaki”というタイムゾーンがあるのだ。もちろん実際は「日本標準時」以外のタイムゾーンはないので、石垣島に住んでいるからといってこれを選んではいけない (この問題は、西部標準時廃止の勅令が見落されたことに由来するという。「South Ryukyu Islandsの謎」調査の中間報告および最終報告に詳しい情報がある)。



パッケージの選択画面
 パッケージの選択は、かなり大分類されたカテゴリで行なう。Debianの何千個ものパッケージについて選択するとかなり疲れるので、これは正しい選択方法だろう。カテゴリは、テキストベースのもの(development、Internet clients、Internet services、games)とグラフィカルなもの(graphics、X development、games、Internet clients)というものだ。詳細な選択はインストール後に行なえばいい。

 残りの作業ははデスクトップ環境を選ぶことだけだ。Storm Linuxのアドバンテージは、Debian GNU/Linuxは採用していないKDEが入っていることだろう。もちろんGNOMEを選ぶこともできる。このあと、パッケージがハードディスクにインストールされる。インストール作業にかかった時間は、コピーも含めて1時間ほどだった。


 インストール後に設定を行なわなければならないところが2点あった。1つは、CMOSクロックがUTC (世界協定時)に合っていると仮定した設定になっているために、クロックを日本標準時に合わせているテスト環境では時刻が9時間ずれてしまうことだ。これは、/etc/default/rcSのGMT="-u"をGMT=""にすることで正常に設定できた。もう1つは、サウンドカードの設定だ。これは、/etc/modulesにes1731という行を追加することで、必要なモジュールを指定して解決できた。



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