最近のディストリビューションは驚くほどインストールが簡単だ。Storm Linuxも例外ではなく、Corel LINUXほど簡潔すぎず、Debian GNU/Linuxほど詳細すぎないインストーラを装備する。ハードウェアはほぼすべて自動で認識されたのだが、サウンドチップ (ES1731) だけは認識できなかった。
インストールはCD-ROMから行なう。FATファイルシステムやNFS、FTPからのインストールはできないので、CD-ROMドライブがない場合はインストールすることができない。Stormix Technologiesによると、次のメジャーリリースでCD-ROM以外からのインストールをサポートするという。
ネットワークの設定は、IPアドレスを個定で割り当てる場合にだけインストール時に行なう。テスト環境ではDHCPによりアドレスを割り当てているので、インストール後に設定することにしてスキップした。
タイムゾーンの選択では、面白いものを一つ発見した。なんと日本に“Asia/Ishigaki”というタイムゾーンがあるのだ。もちろん実際は「日本標準時」以外のタイムゾーンはないので、石垣島に住んでいるからといってこれを選んではいけない (この問題は、西部標準時廃止の勅令が見落されたことに由来するという。「South Ryukyu Islandsの謎」調査の中間報告および最終報告に詳しい情報がある)。
残りの作業ははデスクトップ環境を選ぶことだけだ。Storm Linuxのアドバンテージは、Debian GNU/Linuxは採用していないKDEが入っていることだろう。もちろんGNOMEを選ぶこともできる。このあと、パッケージがハードディスクにインストールされる。インストール作業にかかった時間は、コピーも含めて1時間ほどだった。
インストール後に設定を行なわなければならないところが2点あった。1つは、CMOSクロックがUTC (世界協定時)に合っていると仮定した設定になっているために、クロックを日本標準時に合わせているテスト環境では時刻が9時間ずれてしまうことだ。これは、/etc/default/rcSのGMT="-u"をGMT=""にすることで正常に設定できた。もう1つは、サウンドカードの設定だ。これは、/etc/modulesにes1731という行を追加することで、必要なモジュールを指定して解決できた。