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家電のようなThinサーバ、「LogiPRO」シリーズをレポート

2000年02月24日 00時00分更新

文● 沖中 弘史

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永井一志氏画像
今回、お話を伺った永井一志氏
 ロジテック(株)は、これまで使用してきた「Logitec」ブランドではなく、新たな「LogiPRO」ブランドを冠したThinサーバシリーズを発売した。同シリーズについて、同社通信システム部の永井一志氏にお話を伺った。

 ロジテック(株)は、PCとその周辺機器を開発、販売する会社で、法人向けのPCカスタムオーダーサービスなども提供している。

 「LogiPROミニサーバシリーズ」は、これまでの主にコンシューマをターゲットとした「Logitec」ブランドとは違った、法人向けのアプリケーションサーバ製品。インターネットで使われる代表的な機能に対応し、今まで培った技術を投入して独自性を出すことに努力したという。OSにはLinuxを採用し、「家電感覚」をキャッチフレーズにしている。



「LogiPRO」ロゴ画像
「LogiPRO」ロゴ

 同サーバシリーズは、上記のように法人をターゲットとしており、企業はもちろんのこと、学校や、ISPのホスティングサービス向けにもアプローチしていきたいという。また、インターネットへの常時接続が月5000円前後で可能になるであろう今夏前後には、コンシューマを意識した展開も考えているとのことだ。

 「LogiPRO」サーバシリーズの特徴として、

単機能化による簡単な設定
設定が簡単なことで、専門の技術者が不要。また、単機能化により、安定した動作と均一な性能が見込めることや、不具合が発生したときの問題の切り分けが簡単になるなどの利点がある
家電のような保証体制
従来のオンサイトでの高額な保守契約ではなく、家電と同じようなセンドバック方式で、不具合が起こらない限りお金がかからない。オンサイトでの契約もオプションで可能
堅牢なハードウェア
熱対策などを視野に入れた堅牢な設計、銀行に設置されているATMなどで使用されている工業用マザーボードを使用し、365日のフル稼働が可能
OSとしてLinuxを採用
「Red Hat Linux 5.2」をカスタマイズしたものを使用しており、100人以下でLAN環境を構築するような場合、Windows 2000などに比べライセンス料、設備投資にかかる金額が低く、コストパフォーマンスが高い

などが挙げられた。

 サーバのラインナップだが、

インターネット・サーバ(Tサーバ: 19万8000円~ 発売中)
「Apache」、「Squid」などを使用
グループウェア・サーバ(Bサーバ: 25万8000円~ 発売中)
(株)ネオジャパンの「iOffice2000」を使用(iモード対応)
ネットワーク管理サーバ(Nサーバ: 59万8000円~ 3月1日発売)
横河ディジタルコンピュータ(株)の「LMaT」を使用
認証Webサイトサーバ(Uサーバ: 59万8000円~ 3月1日発売)
横河ディジタルコンピュータ(株)の「鬼刑事」を使用
ショッピング・モール・サーバ(Sサーバ: 価格未定~ 3月末発売)
「PostgreSQL」を使用

が、用意されている。ハードウェアは、ネットワークの規模や、選択したモデルに応じて、以下のラインナップから選択される。

「LogiPROミニサーバ」前面画像
「LogiPROミニサーバ」前面
「LogiPROミニサーバ」背面画像「LogiPROミニサーバ」背面

LMS-31A/B

  • CPU: AMD5x86-133MHz
  • メモリ: 32MB(LMS-31Bは、64MB)
  • HDD: 10GB(同容量のバックアップ用ハードディスク追加可能)
  • NIC: 10BASE-T×2

LMS-41

  • CPU: Pentium MMX-166MHz
  • メモリ: 64MB
  • HDD: 10GB(同容量のバックアップ用ハードディスク追加可能)
  • NIC: 10BASE-T、10BASE-T/100BASE-TX

 こうして、「1台1機能」とすることで、サポートにかかるコストを下げ、低価格での提供ができるというわけだ。

 バックアップ用ハードディスクを増設した場合には、一定時間ごとにバックアップ(ハードディスクのミラーリング)が取られ、もし不具合が起こったときには、マシンそのものを送ってもらうか、販売店に持って来てもらい、ハードディスクをバックアップしたものと入れ換えることによって、すぐさま不具合が起こった時点までのデータを復旧できるという。

 また、もしユーザーが勝手に、サーバを不安定にするようなソフトウェアをインストールした場合、保証はどうなるのか聞いたところ、「保証はできない」という。これは、ゲーム機の内部を改造したら保証がなくなるのと同じことだといえる。

 こうした、顧客側からはブラックボックスにして、不具合の発生=「こわれた」→修理という図式を作って扱いを簡単にしたのが、「家電感覚」と名付けられたゆえんである。

 今後は、ウィルスチェック・サーバなどが予定されているという。

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