XFree86 Projectは2月22日、XFree86 4.0の4回目の(そして最後の) pre-4.0スナップショット(バージョン3.9.18)を公開した。また、4.0のリリース時期として、3月上旬を予定していると発表した。
XFree86はX Window Systemのフリーな実装で、Linuxなどにおいて標準的なウィンドウシステムとして利用されている。Linuxカーネルの開発スタイルと同じように、安定版の3.3系と開発版の3.9系の開発が並行して進められており、現在の安定バージョンは3.3.6。
最大の進歩はXサーバのモジュール化
もうすぐリリースされるXFree86 4.0は、元となった3.3系から大きく書き直されている。その中でもっとも大きな変化は、Xサーバの動的ロードモジュール化だ。
4.0以前のXFree86では、ビデオチップごとにXサーバを用意しなければならなかった。これは、必要なドライバをコンパイル時に組み込むことから来る制限なのだが、多種多様なビデオチップが存在するPC環境では、これは大きな制限である。
それに対してXFree86 4.0では、米Metro Linkから寄付されたランタイム・ローダのおかげで、モジュールを実行時にロードすることができる。よって、Xサーバのコア部分は同一のバイナリにしておき、ドライバ部分だけを置き換えることが可能になる。
そのほか、次のような機能が追加された。
- マルチヘッド(マルチディスプレイ)のサポート
- ディスプレイが解像度や色数などをビデオカードに伝えるための規格「DDC」(VESA Display Data Channel)のサポート
- カーネル・Xサーバ・Xクライアントの3者が協調して動くことにより、3Dハードウェアへの直接アクセスを可能とする「DRI」(Direct Rendering Infrastructure)のサポート
- TrueTypeおよびCIDフォントのサポート
- XawやXtermなどのバージョンアップ
これらの機能拡張にともない、ディレクトリ構成や設定ファイルの書式なども変更されている。