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「Linux基礎」体験入学レポート

2000年02月19日 00時00分更新

文● 沖中 弘史

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「品川インターシティ」外観写真
「品川ラーニングセンター」のある「品川インターシティB棟」外観。1998年末に竣工した新しいビルで、同センターはその12階にある。品川駅から通路で直接つながっているので、交通の便もよい
 (株)富士通ラーニングメディアは、IT技術者に必要とされるネットワークの知識やサーバ構築技術などに対する研修サービスを行なっている。そして、最近のLinuxに対する盛り上がりを受けて、Linuxの名を冠したコースを開始した。

 今回は、Linux関連コースを実際に受講し、その模様をお伝えする。

 「Linux基礎」は、同社の研修センターである「品川ラーニングセンター」で行なわれた。同コースは、ある程度UNIXの知識(具体的には同社で提供している「UNIX入門」コースを履修した程度の知識)はあるが、Linuxにふれるのは初めてという人を対象にしたコースで、目標として、

  1. Linuxの概要を説明できること
  2. Linuxの基本的なコマンドを習得すること
  3. Linuxのシェルの機能を利用した、コマンドの効率的な使用
  4. X Window Systemの基本的な操作と環境設定が可能になること

などが挙げられている。メニューについては、図1「Linux基礎」コースの流れをご覧いただきたい。


図1「Linux基礎」コースの流れ
  1日目   2日目
9:40 1時限
Linuxの歴史、用途
9:30 1時限
Muleのキー操作と設定
10:50 2時限
Linuxの基本操作
10:50 2時限
実習 Muleによる日本語入力
Linuxの基本コマンド
12:00 昼食 12:00 昼食
13:10 3時限
実習 Linuxの起動
13:10 3時限
X Window System
14:30 4時限
vi、Mule、Emacs
14:30 4時限
XFree86の環境設定
15:40 5時限
実習 Muleでファイル作成
15:40 5時限
Shell環境
RPMコマンド
16:30 終了 17:00 終了

 学習環境は、Pentium-133MHz、メモリ16MBというスペックのマシン「FMV-5133 D5」に、「日本語redhat Linux 5.2」をインストールしたものを使用した。しかし、より快適な学習環境を提供するために、Celeron-466MHz、メモリ128MBというスペックのマシン「GRANPOWER5000 ES200」に、「Caldera OpenLinux eServer2.3日本語版」をインストールしたものへの変更が、2000年の4月に予定されているという。

 それでは、体験レポートをお届けしよう。初日、2日目とも、授業開始は9時半から(初日は電車の遅れで9時40分開始というアクシデントがあったが)。

 2日間お世話になる佐藤講師の挨拶、出席確認が終わると、挙手による簡単なアンケートが取られた。アンケートは、UNIXに触ったことがあるかどうか、Linuxをインストールしているかどうかといった簡単なもので、受講者全23名中の結果は

  • UNIXに触ったことがある 10名
  • Linuxをインストールしている 1名

といった感じであった。

授業風景画像
受講者は全部で23名

 上記したように、このコースは、「ある程度のUNIXの知識を前提」としているが、今回の講習会では約半数がUNIXに触ったことがないという結果になっている。2日間は、設定された前提知識に縛られることなく、リサーチした全員のスキルにあわせて進められた。今後受講者増えてスキルに幅が出てくるようであれば、コースの増設、内容変更もありうるという(「Linux基礎」講師インタビュー参照)。

 授業がとどこおりなく進むなか、熱心な受講生の質問も飛び交った。たとえば、「shutdown -h now」(システムをシャットダウンするときのコマンド)の説明がされたときのこと、質問の時間になった途端、ラフな恰好をした熟年男性が、すかさず、「リブートはできないんですか?」という質問をしていた。この方は、どうやらノートPCでLinuxとWindowsをデュアルブートしたいらしく、積極的に質問をくり返していた。「使いたいから、学ぶのだ」という、Linuxらしいどん欲さを感じ、非常に印象深かった。

 また、“触って覚えていく”という姿勢も随所に見られた。たとえば、いったんコマンドラインをすべて打ち込んでもらったのちに、「bash」のファイル名補完を説明し、その便利さを受講者に実感させる、といった方法である。「Linux基礎」のテキストでは、「bash」のファイル名補完は、2日目の内容なのだが、特にテキストにこだわらず、講習中もっとも効果的なところで、「bash」の機能を説明して行なったわけだ。

プロジェクター画像
このプロジェクター画面に講師が操作するPCの画面が映し出され、操作の手本として非常にわかりやすかった

 このような教え方によって、さまざまなコマンドを効率的に組み合わせて使うUNIXの雰囲気を効果的に伝える、佐藤講師のプロフェッショナルな姿勢を感じた。

 熱心な質問に対して丁寧に答えてゆくこの講習会は、“最近よく聞くLinuxって何?”、“Linuxって業務で使えるのか?”といった疑問を持った人が、Linuxの概要と基本的な使い方を効果的に学ぶことのできる、「Linux基礎」という名にふさわしい講習会といえよう。

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