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2000年はこれで行こう

2000年01月11日 21時18分更新

文● 宮原 徹

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み。です。

 あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

 さて、年末に1999年の1年間を振り返りましたので、2000年の最初のコラムは今年の1年を予想してみたいと思います。

 今年来るものは何か。間違いなく「ネットワーク」でしょう。そんな予想は誰にでもできる? おっしゃるとおりです。それぐらい間違いなく来るでしょう。では、どんなネットワークが来るのか? やはり私の場合いつもビジネス的に見ているので「ビジネス」という観点から見ていきたいと思います。

 ビジネス的にネットワーク活用というと、「オンラインショッピング」やら「ポータルサイト」、「BtoBからBtoC、CtoC」と、いろいろと、ある意味派手な格好いいソリューションやコンセプト、キーワードが新聞や雑誌を賑わしていると思います。しかし、これらは別に今年に始まったものではなく、また今年になったからといって一気にブレイクするようなものでもなく、日々常に変化していくようなものなのではないかと。

 私の予想としては、2000年ならではのネットワークによるビジネスは実は、意外と表には見えてこないんじゃないかと思います。なぜなら今年は前述した「BtoB」が大きく広がる年になることでしょう。企業のビジネスを下支えする部分でのネットワーク利用です。とはいっても電子決済だEDIだという、これまたカッコイイ話ではなく、もっと泥臭いところでの広がりです。その背景にあるのは専用線の低額化です。このコラムの第8回で私の自宅にOCNエコノミーを引いたことをちらっと書きましたが、2カ月ほど経つ今まで非常に快適なネットワーク生活を送っています。確かに個人で月々3万2000円の回線費用を負担するのは高いかなと思いますが、これが10人程度のオフィスでシェアしてメールやWWWを利用するのであれば、十分すぎるコストパフォーマンスでしょう。メールに限れば大量の添付データなどを使わない限り、もっと多くの人数で共有できそうです。これにより外部とのメールのやり取りがいっさいないか、せいぜい一部のPCのダイヤルアップに限られていた従来の小中規模オフィスまでもが、インターネットに接続されることにより、量的にも、そして質的にも変わっていくでしょう。

 さらに社内システムでもディジタルアクセス64や128といった専用線が非常に低額で提供されています。たとえばディジタルアクセス64(64Kbps)ならば帯域幅は半分になるものの、東京―大阪間でおよそ8万円弱と、東京・大阪の双方でOCNエコノミーを引くのと同じ程度の金額でセキュアな専用線を引くこともでき、中規模の企業での導入が見こまれるでしょう。このようなエントリークラスの法人ネットワーク利用者に対して、どのようなソリューションを提供していくことができるかが、一つ今年のビジネスの分かれ目になるのではないでしょうか。もちろん、そこにどうやってLinuxを入れていくかということも。

宮原 徹

プロフィール

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1972年生まれ、神奈川県出身。中央大学法学部卒。現在、日本オラクル(株)Linux事業推進部に所属。日本国内でのビジネス用途でのLinux利用促進の為、日夜活動を行なっている。月刊アスキー・ネットワーク・プロにて、Linuxサーバ「blue grass」を扱った「小さくてもe-business」を連載中。

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