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Corel、グラフィックスソフト『CorelDRAW 10 日本語版』を発表――Linux OSは売却

2001年02月13日 20時58分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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(株)メディアヴィジョンは13日、カナダCorel社のグラフィックスソフトの新製品『CorelDRAW 10 日本語版』を発表した。

『CorelDRAW 10』英語版の画面。日本語版は現在ローカライズ中だという

グラフィックス製品シリーズにウェブ用アニメーション作成ソフトを追加

製品ラインナップは、CorelDRAW 10とレタッチソフト『Corel PHOTO-PAINT 10』、ウェブ用アニメーション作成ソフト『Corel R.A.V.E.』を1パッケージにした『CorelDRAW 10 Graphics Suite 日本語版』、CorelDRAW 10とCorel R.A.V.E.をセットにした『CorelDRAW 10 日本語版』、Corel PHOTO-PAINT10とCorel R.A.V.E.をセットにした『Corel PHOTO-PAINT 10 日本語版』の3製品が用意されている。北米でリリースされているのは『CorelDRAW 10 Graphics Suite』のみで、『CorelDRAW 10』と『Corel PHOTO-PAINT 10』のパッケージは日本オリジナル。対応OSはいずれもWindows 98/NT4.0。

CorelDRAW 10は、ベクターグラフィックスソフトCorelDRAWの最新版。主にグラフィックス作成作業を効率よく行なうための機能や、ウェブ制作機能が強化されている。オブジェクトの効果を変更すると、その変更を反映したプレビューがリアルタイムで表示される“リアルタイムプレビュー”、複数ページにわたるドキュメントをサムネイル表示し、ページ順を変更できる“ページソーター”を搭載する。

また、ユーザーインターフェースのカスタマイズ設定が可能になったほか、作業中に行なった操作を一覧表示し、やり直したい部分まで作業を戻せる“ヒストリ機能”、変形ツールや図形ツールをインタラクティブに操作できる“インタラクティブツール”も用意されている。

さらに、Macromedia Flashに対応し、Flash形式でのファイル書き出しか可能になったほか、FreeHand、Visio、AutoCADも新たにサポートする。

フォトレタッチソフト『Corel PHOTO-PAINT 10』は、画像の輪郭を保ちながらぼかし効果を付けられる“スマートブラー”、写真の赤目部分を修正できる“赤目の修正ツール”といった機能を搭載するほか、テキストツールを強化し、パスに添ってテキストを配置したり自由に変形できるようになった。

『Corel PHOTO-PAINT 10』英語版の画面

新ツールである『Corel R.A.V.E.』は、ウェブ向けのベクターアニメーションを作成できるソフト。作成したアニメーションはFlashやQuickTime、AVI、アニメーションGIFといったファイル形式で書き出し可能。またWAVファイルを読み込めるオーディオコントロール機能も搭載する。

新ツール『Corel R.A.V.E.』英語版の画面。ウェブ用のアニメーションを作成できる

また、ラインナップ3製品とも、クリップアート2万5000種類、写真データ1000種類を収録する。発売日はいずれも4月6日。価格は、CorelDRAW 10 Graphics Suite 日本語版が8万8000円、CorelDRAW 10 日本語版が4万8000円、Corel PHOTO-PAINT 10 日本語版が4万8000円。

Linux対応アプリケーション開発は続行

本日都内で行なわれた発表会で、Corel社アジアパシフィック担当ディレクターのElie Salibi(イライ・サリビ)氏が、Corelの今後の事業展開について語った。

Corel社アジアパシフィック担当ディレクターのElie Salibi氏

同氏はまずLinux事業について説明し、Linux OS『Corel LINUX』は他社への売却を検討していると語った。なお、Linux版『WordPerfect』や『CorelDRAW』などのLinux対応アプリケーションについては引き続き開発、バージョンアップを行なうとしている。Linux対応アプリケーションはWindows版とほぼ同じ機能を搭載しており、昨年末にはCorel DRAW 9をベースとしたLinux版Corel DRAWが北米でリリースされて いる。Corelは今後も1年に1回程度のペースでLinux版のバージョンアップを行なっていくという。

『WordPerfect』については、今後中小企業や官公庁、既存ユーザーを対象に事業を展開し、ローカライズ版は現在の30ヵ国から英語版とカナダ版、フランス語版、日本語版に絞り込むとしている。

グラフィックス製品は、今回CorelDRAW 10が発表になったが、CorelはCorelDRAW 10のMacintosh版(Mac OS 9およびMac OS X対応)を今夏にリリースするという。また、Corel PainterやCorel Bryce、Corel KPTなどのWindows版やMacintosh版を今年中にリリースするとしている。

また、自動車製造など専門分野に特化したCorelDRAWを提供するべく、特定市場への調査を行ない、今後1~2年の間に、専門分野向けのCorelDRAWを提供したいとしている。また、企業や技術の買収を積極的に行ない、製品を充実させていくという。さらに、3~5年後にはウェブサイトを通じた製品の販売も予定しているという。Corelは昨年10月に米マイクロソフト社から1億3500万ドル(約158億円)の出資を受けているが、今後Microsoft .NETに対応することでウェブを通じてアプリケーションやサービスを提供できるとしている。

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