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1999年のLinuxを振り返る

1999年12月23日 02時27分更新

文● 宮原 徹

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み。です。

 早いもので西暦2000年まであとちょっとです。しかし西暦0年は存在しないので、今年はミレニアムエンドではない、などと無粋なことを言ってみたい年頃になってしまったのを実感する今日この頃です。

 さて、前回このコラムを書いてから、あっという間に2カ月が経ってしまっていますね。決してサボっていたわけではなくて、意外と忙しかったのです。それでもLinux Conference '99も無事に終了し、やっとこの文章を書く時間もできたので、まずは今年1年を振り返ってみたいと思います。お約束という奴ですね。

 年明けは劇的でした。松の内が明けて早々、Linux版Oracle8を出荷することの最終決定が下され、1週間後に記者発表という芸能人並みの電撃発表でした。記者会見で立ち見が出たのを私は始めてみました(^^;。Linuxがビジネスにも使えると、一気にそう思わせるぐらいセンセーショナルな発表に携われたことを嬉しく思います。

 3月にはLinuxWorldが東京国際フォーラムで開かれたわけですが、人、人、人、の超満員でしたね。合わせて、私もLinux版Oracle8のインストール本などを出版させていただきました。たいへん好評で完売。現在はPDF版を無料で配布しております。http://www.arcs.ne.jp/dc_store/index.asp

 これ以後、非常にたくさんのイベントやセミナーが開催されていくわけですが、出展社や製品のバリエーションが増えていくのが、如実に見て取れました。反面、1つの会社がそう簡単に次々と新しい製品を出せるわけでもないので、若干飽きられてしまったところもあるかなと思います。明らかにユーザーの関心は「Linuxは分かった。けど、どうやって使うと効果的なの?」という応用問題に取りかかっていったわけです。

 応用問題については実証するのに時間がかかるだけに、現在のところ、それほど多くの解答を出せてはいないと思います。2000年に大きな課題を残したといえます。とは言ってもネガティブな課題ではなく、取り組み甲斐のある課題ですね。来年はきっとより多くの人がこの課題に取り組んでいくことになると思うと、来年の状況が楽しみですね。

 また、私の個人的な活動としては、この連載コラムでも何度か出てきた「Project BLUE」(http://www.blue.gr.jp/)が活動の中心となっていました。ここからの視点で見てみると、「Linuxをビジネスに使う為の相互支援」を目的に3月に設立されたBLUEも、設立1年を待たずに1000人規模まで成長を遂げました。これもまたLinuxの盛り上がりと密接に関連している事柄です。セミナーや合宿、宴会とさまざまな活動を通じて、非常にたくさんの、Linuxをビジネスにしよう、Linuxで飯を食おうという人達の横の繋がりができました。2000年はこの人的ネットワークをリアル・ビジネスでの成果に結びつけることが課題となりそうです。

 では、2000年のLinux、Linuxビジネスのあり方はどうあるべきか、次回お話したいと思います(今度はあまり間を置かずにすぐに書きます(^^;)

宮原 徹

プロフィール

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1972年生まれ、神奈川県出身。中央大学法学部卒。現在、日本オラクル(株)Linux事業推進部に所属。日本国内でのビジネス用途でのLinux利用促進の為、日夜活動を行なっている。月刊アスキー・ネットワーク・プロにて、Linuxサーバ「blue grass」を扱った「小さくてもe-business」を連載中。

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