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Microsoft Server Applications部門Vice President Paul Gross氏インタビュー

これがExchange 2000 Serverだ

1999年11月29日 00時00分更新

文● 吉川

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1999年11月11日~12日、幕張メッセ国際会議場にて、「Microsoft Exchange Conference '99」が開催された。同カンファレンスのために来日した、MicrosoftのServer Applications部門Vice President Paul Gross氏へのインタビューをお届けする。Exchange 2000 Server(以下Exchange 2000)は、本当にメリットがあるのか? Microsoftが考えるKnowledge Managementとは? 月刊ASCII network PROが聞く。

Paul Gross氏
[ASCII network PRO] まずは、ビジョンをおうかがいしたいと思います。Windows 2000とExchange 2000で実現される企業システムとは、どういうものなのでしょうか?
[Paul Gross氏] Exchange 2000とWindows 2000を合わせれば、企業におけるコラボレーションとメッセージングのインフラを構築することができます。そのインフラを駆使することにより、いわゆるKnowledge Managementのソリューションを提供できるようになるのです。
[ASCII network PRO] Windows 2000 ServerとExchange 2000という組み合わせは、いままでのWindows NT ServerとExchange 5.5で実現されてきたソリューションに比べて、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?
[Paul Gross氏] 最大の違いはActiveDirectoryです。また、スケーラビリティや管理面の強化もメリットといえます。さらに、分散型のアプリケーションを開発することも可能になりました。そして、以上のことに、Windows NT ServerとExchange 5.5で培ってきた資産を活用することが可能となっています。インターネットを効果的に活用し、ビジネスに競争力を持たせるとともに、企業の中のビジネスプロセスを再編成して、Web上での企業展開を図ることができるのです。
 メッセージングやコラボレーションサービスを分散化に対応させることで、Web上で何百万人といったユーザーが使うことができるようになりました。ストレージエンジンの“次元”を高め、「Webストア」という次元にまで引き上げました。これまでのメッセージング/コラボレーションのストレージに、ファイルサーバやインターネットサーバを統合したのがWebストアです。こうして、広範囲なアプリケーションを使うことができるようになり、コラボレーティブなアプリケーションに参加することができるようになりました。
 これで、“Native Windows”プラス“Native Web”という組み合わせが生まれます。「Native Windowsである」ということは、Webストアの中にある各ストレージは、「Windows 2000の下にインストールされるファイルシステム」という形を取るわけです。こうなると、Win32のアプリケーションであれば、何も変更/修正する必要なく、Webストアに保存したり取り出したりすることが可能になります。
 Win32のアプリケーションとWebのアプリケーションが共有されることにより、既存のビジネスアプリケーションを変えることなく、Webアプリケーションを構築できるようになるのです。しかもそのアプリケーションはスケーラブルであり、Exchangeストレージの中に用意されたクラスタリングやレプリケーション機能を利用できます。
 Exchange 5.5とExchange 2000の違いはまだあります。サーバのAnyTime AnyWhereの機能です。チャットやインスタントメッセージング、リアルタイムのカンファレンス―ビデオとアプリケーションのシェアリング―といったリアルタイムのコラボレーションが可能になるのです。そして、モバイルワーカーのアクセスも実現します。携帯電話をはじめとしたモバイルデバイスが使用可能になります。たとえばNTT移動通信網(株)(以下NTT DoCoMo)さんとの提携によって、電話を使ってExchangeにアクセスできるようになるわけです。
[ASCII network PRO] 具体的には、誰に、どのようなメリットがあるのでしょうか?
[Paul Gross氏]  ITのみなさんにとって、Webストアは大きなメリットです。ファイルサーバ、Webサーバ、メッセージングなどを、Windows 2000のManagement Consolで1つのシステムとして扱うことができるのです。
 ユーザーの立場から見れば、非常に簡単に情報を検索できます。Webのインターフェイス=Webブラウザや、Office製品を使って検索できるので、仕事の形態にあった検索を行なうことができます。
 開発者にとってのメリットは、コラボレーティブなアプリケーションを開発する場合、Wnn32のAPIが、XMLやWebのプロトコルというものをすべて活用することが可能になる、ということです。
[ASCII network PRO] マイクロソフトさんとNTT DoCoMoさんが提携してモビマジックという会社を作られたかと思うのですが、Exchange 2000は、こうしたサービスプロバイダ的な用途も想定されている、と考えてよろしいでしょうか?
[Paul Gross氏] そうです。Exchange 2000というのはASP(Application Service Provider)やISPが、メールやカレンダー機能といったサービスをWeb上で提供することができるように作られたものです。
[ASCII network PRO] 企業に限らず、ネットワーク上ではあらゆるプラットホームが混在しているはずです。現在Exchangeを使っているユーザーが一番気になるのは、Windows 98やWindows NTといったプラットホームでも、フルにメリットが享受できるのかどうか、という点だと思います。やはり、クライアントもWindows 2000にしたほうがいいのでしょうか?
[Paul Gross氏] 基本的に“No”です。Office 2000とOutlook 2000を使えば強力ではありますが、前のバージョンのものを使っていても、Exchange 2000のメリットの多くは享受することができます。WebストアやAnyTime AnyWhereという技術においては、古いクライアントであっても機能を使うことができるのです。というのは、OutlookやWebブラウザなどは、最新のテクノロジーをプラグインで使えるようにしてあるからです。
[ASCII network PRO] 米国で、Knowledge Managementの事例はありますか? それとも、Knowledge Managementというのは、これからのソリューションなのでしょうか?
[Paul Gross氏] 現在、企業トップのレベルで関心が芽生えているところでしょう。たとえば、Exchange 2000のデジタルダッシュボードは、重要な意志決定をしなければならない人間が、すべての情報を手元に持ってから効果的に意志決定できるための、メッセージコラボレーションのインフラを作っていこうとするものです。関心は高まってきているといえます。
 ソリューションプロバイダといわれる人達がユーザーの所に行くと、今までの資産を活かしつつ、Knowledge Management的なコラボレーションのソリューションが欲しいと言われるそうです。
 デジタルダッシュボードやExchange上のドキュメントに対するマネージメントシステムに対する関心が非常に高まってきていると思います。ただ、まだ初期の段階ではあります。メッセージングやコラボレーションのインフラがすでにある場合に、その価値をどうやって高めていけばいいのか、といったところに関心が芽生えてきたというところでしょう。
 事例としてはシェル石油という巨大な多国籍企業がありますが、企業全体で幅広い情報をWeb上で共有しています。これは、ECMSというソリューションプロバイダが、ドキュメントマネジメントシステムをExchange上で作っているのです。
[ASCII network PRO] 日本では中小企業の割合が高いのですが、Exchange 2000中小規模のグループにとっても有効なのでしょうか?
[Paul Gross氏] Exchangeというのは、Small Business Server(SBS)やBack Officeにも統合されています。SBSというのはベンチャー企業などの小規模グループ向けの製品ですし、Back Officeは中規模の企業または大企業の支社や支店をターゲットにしているものです。SBSですと、非常に小さな企業やほとんどITの経験がない会社の場合でも、社員が簡単に使えるようになっています。そして、SBSもアップグレードすればExchangeのフル機能を使えます。スケーラビリティがあるわけです。最初は経験のないところから入門で始めることも可能ということです。
[ASCII network PRO] Exchangeでは、どのようなソリューションが開発できるのでしょうか?
[Paul Gross氏] 先ほどドキュメンテーションマネジメントのお話をしましたが、いくつかのベンダーがこうしたソリューションを提供しています。それからワークフロー、ファクスサービス―ファクスをメールボックスで受けたり、メールを送るとファクスが送られたりといったサービスですね―、音声とテキストのメッセージを統合して管理するユニファイドメッセージのサービスもできます。
[ASCII network PRO] 最後に、Windows 2000の発売日も決まりましたが、Windows 2000のこうしたところを期待してほしい、こうしたところを見てほしいといったお話をお願いします。
[Paul Gross氏] アピールするとすれば……。まず、ドメインのユーザー管理、PC管理、サーバ管理、サーバにつながっているディスクなどのリソースの管理がしやすくなります。さらに、ほかのネットワークOSとの統合もやりやすくなりますし、シングルサインオンという形でアプリケーションからアプリケーションへの協調/管理もしやすくなります。さらにExchangeのユーザーでもあれば、ファイルストアやWebサーバをシングルマネジメントコンソール、シングルディレクトリという形で管理できますし、信頼性やスケーラビリティといった面でもいっそう機能が向上します。
[ASCII network PRO] ありがとうございました。

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