米WinMainは、最小限の努力でWin32アプリケーションをUNIXに移植できる製品「MainWin」のLinux版を発表した。
MainWinは、Windowsのエミュレータや、WindowsのセマンティクスをMotifなどにマップするものではなく、UNIXにWin32 APIを実装したソフトウェア。同ソフトウェアより、Win32 APIを使用したアプリケーションをUNIXのコンパイラでリコンパイルすることができ、アプリケーションはUNIX上でネイティブに動作する。
MainWinによって、「Internet Explorer」「Outlook」「Unicenter」などがUNIX上で動作可能になるという。
製品版の出荷時期は2000年第1四半期。なお、デモ版が数週間以内にダウンロード可能になるという。なお、同製品はすでにAIX、HP-UX、IRIX、Solarisなどのプラットフォームで動作している。
フリーなWin32の実装「Wine」
オープンソースの世界の例にもれず、MainWinにも、同じ機能を実現しようとしているソフトウェアが存在する。「Wine」という名のソフトウェアは、Win32 APIを実装し、Win32アプリケーションをUNIXに移植するための開発ツールキットと、Win32アプリケーションのバイナリ互換性を提供している。
Wineはクリーンルームによる「別な」Win32 APIの実装で、WinMainがWindowsソースコードのライセンシーであるのと対照的だ。そのぶんWineの開発速度は速いとはいえないが、Corel社がWordPerfectやCorelDRAWなどをLinuxに移植するためにWineの開発に協力することを発表していることもあり、近いうちにWineも実用的なレベルに達するかもしれない。