このページの本文へ

ワークショップ「Linux というOSが選択される理由」概要

1999年10月01日 00時00分更新

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 LinuxWorld Expo/Tokyo '99初日の9月29日、「Linux というOSが選択される理由」と題したワークショップが行なわれた。講師は国際大学グローバル・コミュニケーション・センター主任研究員の小山裕司氏。

 まず、今までLinuxを使ったことがもない人にもわかるようにLinuxの概要、長所と短所について解説がされた。Linuxのクライアントとしての可能性については、Linux上で動作するPCアーキテクチャエミュレータの「VMware」を例にあげ、今後このようなソフトが出て来ることにより、ますます普及していくだろうとした。サーバとしては、現在サーバとしての機能はほぼ揃っており、あとはグループウェア等のアプリケーションが必要とした。

 つぎに、Windows NTとの比較を行なったMindcraftのテストについて言及した。このテストにより、複数のNICを必要とする場合はNTの方が性能が良いというLinuxの弱点もわかったが、改善は進んでいるとした。また、信頼性については、NTに比べると高いが、Linuxを使用するときにも、PCアーキテクチャというハードウェア自体の信頼性も考えなくてはいけない、とした。

 そして、オープンソースソフトウェアについての解説があった。最初ソフトウェアはハードウェアの付属物で、ソースコードは公開されていたがソフトウェアの商品価値が高まったため、ソースコードが隠された。そこで独自のOSの環境を構築するプロジェクト、GNUがあらわれた。GNUソフトウェアの特徴としてGPLという独自の使用許諾条件があり、1990年ころにはカーネル以外はUNIX互換OSのほとんどが構築された。LinuxはGNUプロジェクトとは独立して開発されたが、配布条件はGPLである。そして、ソースコードを公開することによって、誰でも容易に開発に参加できるため、ソフトウェアが成長を続ける、とした。

 それでは、なぜ多数の優れたプログラマが、LinuxおよびGNUの開発に参加したのか。それはソフトウェアを書くこと自体の喜びと、各自の貢献がすべての利用者に届き、賛辞と感謝によって迎えられるためだという。

 最後に、Linux Standard Base等の機関が標準化を行なっていること、今後は多言語対応も進んでいくことや、新しい特殊機能(2G以上のファイルシステム、SMPの改善)も進んでいる等の、Linuxの将来についての解説があった。

カテゴリートップへ

  • 角川アスキー総合研究所
  • アスキーカード