このページの本文へ

特別講演「OpenLinux-Linux for Business」概要

1999年10月01日 00時00分更新

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 LinuxWorld Expo/Tokyo '99、2日目の9月30日、「OpenLinux-Linux for Business」というテーマで、米Caldera Systems 社長兼CEO Ransom Love氏による特別講演が行なわれた。

 まず、OpenLinuxの大きな特徴のひとつである、GUIのインストーラLIZARD(Linux Wizard)について簡単に説明がされた。そして、LIZARDを使って実際にインストールするデモを行ないながら、そのあとの講演は進められた。

OpenLinux、インストール
OpenLinuxのインストーラ、LIZARD。日本語化はかなり進んでいるようだ。Love氏によると日本語版は80%の完成度だという

 Linuxのアドバンテージについては、「Netware、SCO、Windows NTと比べ、カスタマイズ、安定性の2点から優れている」とし、さらに「オープンソースを使う事により1番進歩が速い」と語った。ただし、「今後Linuxはビジネスのソリューションとなっていく。そのためには、Linuxコミュニティは産業にならなければならない。フリーであることは重要だが、秩序を持った標準が必要である。そのための標準化の努力をしていく」とした。

 そしてOpenLinuxの特徴として、「オープンソースをベースにしたパッケージに、その他の商用パッケージを追加したものである。ただし、存在するソフトをすべて入れるのではなく、Calderaが良いものだと選択したものを、充分テストして入れる」と語った。

米Caldera Systems 社長兼CEO Ransom Love氏
米Caldera Systems 社長兼CEO Ransom Love氏。Linuxのビジネスにおける現在と将来への展望を熱く語った

 Linuxのビジネスにおける発展については、「LinuxはシェアをUNIXから奪っているのではなく、Windowsから奪っている」とし、Calderaの調査によると、「VARやシステムインテグレータの18%はすでにLinuxに手をつけていて、64%は12カ月以内に手をつける」と語った。

 そして、「Linuxは導入する場合にも、最初からすべてのシステムをLinuxに入れ換える必要はない。Linuxは使いたい部分から補完的に使う事ができる。そして、テストしながら、状況を見て今後どうするかを判断できる」として、Linuxへの移行を促した。さらに、Linuxの普及のためには、今後はサポートが重要であるとし、日本においても日本語による、ディストリビューションに依存しないトレーニングコースと、サポートを提供する、とした。

 なお、今後提供されるサーバ版に関しては「ワークステーションとサーバとは違うものにする。たとえばリソースをたくさん必要とするX Window Systemは、サーバには入れない。そのかわり、サーバにはWebベースの管理ツールを入れるようにする。」と語った。

 最後に、聴講者からの「ノート等によくある、特殊なデバイスドライバが必要とされるもののサポートに関してはどうなるのか」という質問に対して、「日本においてはユニークなドライバに関してはメーカーと協力して提供していきたい」と答えた。

カテゴリートップへ