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LinuxWorld Expo/Tokyo '99展示会レポート

1999年10月01日 16時35分更新

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 LinuxWorld Expo/Tokyo '99、2日目の展示会のレポートをお届けする。

 展示会では、ハードウェア、ソフトウェアともに、やはりLinuxWorld Expo/Tokyo '99にあわせておいて発表され他者が目だった。これはLinuxWorld ExpoがLinuxの大きなイベントとして根付きつつあるという現れだろう。また、出展社も1.5倍に増え、大企業のLinuxへの取り組みを強く感じることができた。

 また、出展社数は増えたものの、展示会場の広さも適切で、前回のような寿司づめ状態にはならなかった。

ハードウェア

 コンパックコンピュータでは、9月29日に発表となった、Linuxプリインストールの「プロシグニアサーバ」と、今回新たにLinux-readyモデルとして追加された「ProLiant」を展示していた。日本においてもLinuxコンピテンシセンターを設置したコンッパックコンピュータは、いよいよLinuxへの取り組みが本気であることを感じさせる。

「プロシグニアサーバ」
TurboLinuxがインストールされた「プロシグニアサーバ」。

アクアリウムコンピュータでは「white neon」と「blue grass」を展示していた。blue grassはOracle 8iのプリインストールマシンとしても採用されており、日本オラクルのブースにも展示されている。

「white neon」と「blue grass」
「white neon」と「blue grass」。青く光る電源ランプが好評だった。

 富士通テクノシステムでは、Linuxインターネットサーバ「CyberCom PathNavigator」を展示していた。A5ファイルサイズと、厚さ3.9cm、重さ1.25kgと小型軽量、放熱ファンさえも搭載していない。ケースの中には、VGA端子等が内蔵されており、直接周辺機器を繋いでメインテナンスすることもできる。

「CyberCom PathNavigator」
CyberCom PathNavigator。マウスと比べるとその小ささがわかっていただけるはずだ。

 VA LiNUX Systemsと住友商事では、参考出品として各種のサーバを展示していた。現在は日本での販売に関しては未定とだいう。

「FullOn 2x2 RAS」
「FullOn 2x2 RAS」2U ラックマウントサーバ。e-businessやクラスタアプリケーションをサポートすることができるハイエンドサーバだ

 インターネット・プロが展示していたのは、新製品のインターネットリモートアクセスサーバ「CUTE5000EX DiVA」シリーズ。ISP等向けの業務機で米Digi International、住商データコムと共同で開発を行なったという。1枚あたり46回線をサポートするボードを複数内蔵することができ、必要に応じて回線数を増強していくことができる。コストと信頼性を考えLinuxを採用したという。

CUTE5000EX2
最大384チャネルのモデムを制御可能なCUTE5000EX2。4Uサイズ

ソフトウェア

 これも今回発表になったCaldera SystemsのOpen Linux 2.3の日本語版。現在はまだβ版であり、日本語化はネオナジーが進めている。年末までには製品を提供したいとのこと。Open Linuxに力をいれているアミュレットと3社共同で「Open Linux - Linux for Business」というコンセプトで出展していた。

Open Linux 2.3
Open Linux 2.3の日本語β版。すでにさまざまなメニューが日本語になっているのがわかる

 ターボリナックスジャパンでは、大きなプレゼンテーション用のブースを設置し、「TurboLinux Cluster Server」と「TurboLinux Server 4.0」のデモを行なっていた。デモの時間になると、人だかりができ、盛況だったようだ。

TurboLinuxPPC
デモを行なっていた製品ではないが、参考出品として展示されていた初公開の「TurboLinux for PowerPC Ver.3.6」。まだβテスト中ということだが、かなり人目を引いていた

 韓国のWEB DATA BANKはWindows95/98に簡単にインストールできるという「qLinux」を展示した。qLinuxはWindows95/98のVFAT上にインストールできるLinux。Windowsアプリケーションと同様にWindows上からインストールしたり、「コントロールパネル」の「アプリケーションの追加と削除」からアンインストールできる。ブースではTurboLinuxをベースにした日本語版も展示されていた。

qLinux
「qLinux」のインストール画面。デバイス情報をWindowsのレジストリ情報から取得するため、インストールの際に悩まされることも少ないという。

 日本フォトグラフィックスでは、Intel、Alpha、PowerPCのCPUに対応した「PowerLinux Ver.2.0」を発表した。PowerPC版はLinuxPPC 1999を、Intel/Alpha版はRed hat Linux 6.0をベースとしているという。近日発売予定としており、無償アップデート版を販売していた。

PowerLinux Ver.2.0
デスクトップ環境としてGNOME、KDEを採用したPowerLinux Ver.2.0

 ロータスのブースでは、Linux対応のLotus Domino R5を展示。Linuxサーバ上のLotus Domino R5に、Windowsにインストールしたロータス ノーツ R5(日本語版)でアクセスしていた。アンケート回答者には、Webで配布しているLotus Domino R5 for Linux Sneak Preview(約120MB)のCD-ROMをプレゼントしていた。

Lotusのブース
ロータスのブースと、Lotus Domino R5 for Linux Sneak Preview CD

 インプライズではRDBMSである「InterBase 5 for Linux」と、CORBA ORB(オブジェクト・リクエスト・ブローカー)である「VisiBroker」のLinux対応版を発表。InterBase 5 for Linux、VisiBroker for LinuxのトライアルCDを配るなどPRに勤めていた。

InterBase 5 for Linux、VisiBroker for Linux
VisiBroker for Linuxを利用した簡単なアプリケーション(左側)とInterBase 5 for Linuxを利用したスケジューラ(右側)

 日本アイ・ビー・エムでは「インターネット翻訳の王様 POWER+」のLinux版を公開した。Mule上およびWebブラウザ上での英日翻訳が可能になっている。それ以外にもコマンドライン上で使えるツールが付属し、アプリケーションから利用するためのライブラリの仕様も公開される。そのほかにも「ホームページ・ビルダー」「Desktop On-Call」のLinux対応版も公開していた。

インターネット翻訳の王様 POWER+
インターネット翻訳の王様 POWER+ Linux版。Mule上でバッファの文章をそのまま翻訳できる。

 日本オラクルでは、4CPUのマシン上で、 Oracle8 for Linuxを動作させるデモを行なっていた。200万件のデータを検索、実行時間が1/4で済むというデモである。

Oracle8i
「@1」コマンドは1CPUに対応したコマンドで実行時間が30.51秒。「@4」コマンドが4CPUに対応したコマンドで実行時間はわずかに7秒。右側のメーターでCPUが4つとも動作しているのがわかる

 オムロンソフトウェアでは日英英日翻訳ソフト「翻訳魂」を展示していた。クライアント/サーバモデルを使用していて、Muleおよび、翻訳専用ウィンドウで使用することができる。

「翻訳魂」
「翻訳魂」。クライアントサーバ間のプロトコルを公開しているので、自分用の新しいクライアントを作ることも可能だ

 富士通愛知エンジニアリングではLinuxサーバの総合運用管理ソフト「System Walker」を展示していた。「SystemWalker」シリーズはLinuxサーバ上のトラブル監視、業務管理やWebサーバのログ解析等の一元管理を可能にした製品群である。

「SystemWalker」
「SystemWalker/OperationMGR」。Linux上の業務の実行状況を色分けで表示し、リアルタイムで監視確認ができる

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