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地域密着型ISPのインフラを支えるLinuxサーバたち

エクナグループ

1999年09月29日 00時00分更新

文● アスキーNT/イビサ

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 もっとも、すべてのサーバでLinuxが使われているわけではなく、メールサーバと管理サーバにはWindows NT Serverが利用されている。まずメールサーバにはIPSWITCH社(http://www.ipswitch.com/)の「IMail Server 5.0 for Windows NT」が採用されている。「長いユーザー名をエイリアスを作らずに扱えるのがIMail Serverの特徴で、かつユーザーライセンスが無料なんです。何千ユーザー作っても同じ価格で済むので、ISPとしてはありがたい製品」(村上氏)ということだ。実際、マシン到着後1日3万トランザクションという負荷をかけて評価を行なったが、クライアントでの受信のスピードも問題なく、送信の確実性は確保されたという結果がでたため、最終的に採用に至ったという。

Netfinity 5000/5500には、ディスクのホットスワップや冗長化電源のほか、故障個所にLEDが点滅するというLightPathという機能も搭載しており、耐障害性は優れている

 管理サーバは、他のサーバを管理し補助するようなタスクを持っている。管理サーバは各サーバの稼働状況を監視しており、Netfinityの障害予知機能(PFA:Predictive Failure Analysis)によってディスクダメージの予兆が検出された際に、そのサーバのディスクイメージを強制的に管理サーバのディスクにコピーするという機能を持っている。これは、前述したOSと独立した監視プロセッサの機能とNetfinityの管理ツールNetfinity マネージャーを連携させることによって実現されている。管理サーバをNTにしたのは、NetfinityマネージャーがWindows 95/NTおよびOS/2のみの対応だったという事情もある。また、メールサーバに対してアカウントを発給するためのデータを渡したり、認証サーバに認証用のデータを格納したりする一方、セカンダリのDNSサーバ、RADIUSサーバとしても稼働しているとのことだ。幸いながら、こうした機能を利用する事態は発生していないが、24時間停止を許されないサービスを提供するために十分な対策が施されているといえるだろう。

11月20日に更新予定のエクナネットのホームページ。デジタル回線の増強によってアナログ56k、ISDNのMP128kpbs接続も可能になった

 信頼性と安定度を必要とするサービスはLinuxをシンプルな形で利用し、管理機能や各種アプリケーションを必要とする場合はWindows NTを採用するというのが、システムの特徴になっている。お互いの長所をきちんと検証し、使い分けている点からみても、ただはやりでLinuxを使ったのではないというのが分かる。

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