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オープンな技術でEDIを構築。生産リードタイムを大幅短縮へ

クボタシステム開発

1999年09月29日 00時00分更新

文● アスキーNT/宮下

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 クボタのすべての拠点では今回のシステムが稼動する以前から物品受入システムが稼動している。これは納品物にバーコードの付いた納入カードを添えることにより納入部品の種類と個数を把握し、大量の納品物の処理を実現するものだ。従来まで納品カードはクボタの生産拠点が郵便小包や宅急便で協力工場に送っていたが、時間とコスト増の要因となっていた。また、協力工場側では100の発注に対して50しか出荷できない場合がある。実は納入カードはA4の用紙に2枚印刷されるので、このような状況時には、必要なカードだけを切り離し選択する作業が必要だった(これをクボタではカルタ取りと読んでいる)。この余計な作業時間と紙資源のムダの発生を避ける解決策として、今回のシステムでは協力工場側で納品カードを必要な分だけリアルタイムに印刷する手法を採用した。ただ、ここで大きな障壁となったのは、クボタの受入検査システムのバーコードリーダが1mmのズレも許さない高品質な印刷を要求していたことだ。Webブラウザは印刷に弱い環境である。この問題を解決したのが「コンテンツ・オンデマンド・プリント」だ。

納入カードサンプル写真
納入カードのサンプル。EIAJ標準の様式になっている。A4の用紙に2枚印刷される。クボタで実際に使用されているカードは項目がこれの2倍ある

 これはデータセンターの帳票サーバでPDFファイルを生成、Webクライアントからダウンロードし、それを印刷するというものだ。これによって納品カード作成のビジネスプロセスが変更でき、短期間で納品カードとともに納品物を納入できるようになった。メリットはもう1つある。PDFファイルを印刷するので、プリンタの機種を選ばず、どこでもクオリティの高い同一の帳票が作成できる。「コンテンツ・オンデマンド・プリントへのユーザーの関心は高く、このシステムだけをやりたいという声も多い」(日原氏)。

 帳票サーバでは納入カード以外にもさまざまな帳票を生成している。その枚数は月間44万枚、1日あたり2万枚にもおよぶ。なお、帳票サーバのみプラットフォームにWindows NTを採用しているが、将来はUNIXに置き換える予定だ。

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