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オープンな技術でEDIを構築。生産リードタイムを大幅短縮へ

クボタシステム開発

1999年09月29日 00時00分更新

文● アスキーNT/宮下

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「K-planet」の中枢は見事に分散された3階層構造になっている(図1)。全国ダイヤルアップ網で接続される協力工場のクライアントがプレゼンテーション層。それと結ばれるデータセンター側のアプリケーションサーバがアプリケーション層。Oracleで構成される2台のデータベースサーバがストレージ層にあたる。

 注目されるのは、サブデータベースサーバにLinux版のOracle8 Workgroup Serverを採用している点だ。導入時にWindows NTとLinuxのどちらを採用するかを検討するために、実際のシステムに近いデータベースを構築しパフォーマンスの測定を行なった。今回のシステムで想定されるSQL文を投げるという比較を行なったところ、LinuxがNTの約4倍のパフォーマンスを記録、Linuxの採用に踏み切った。

 メインデータベースサーバには、月間約44万件におよぶトランザクションに対応するためパーティショニング機能をサポートするOracle8 Enterprise Editionを採用する必要があった。「現段階ではLinux向けにEnterprise Editionが出荷されていないためHP_UXを採用した。将来的にはデータベースはすべてLinuxにしたい」(クボタシステム開発 ビジネスシステムセンター ソリューションテクノロジーグループ 日原偉氏)。

 顧客のLinuxに対する不安はなく、むしろ歓迎されているという。Linuxへの一般的な信頼はもとより、4月にカットオーバーして以来半年近くを経過し、いまだシステムダウンしていない実績も評価されてのことだ。「Linuxは自動バックアップなどの運用面でツールが不足している。RAID製品はそろってきたものの、他の周辺機器のドライバを自分で書く必要がある。だがそこさえ解決すれば、既存のOSにとってかえられる」と、日原氏は現在のLinuxの状況を冷静に見つつ、Linuxの将来には非常に明るい展望をもっている。

 DNSサーバや拠点サーバにもLinuxやFreeBSDといったPC-UNIXを積極的に採用している。アプリケーションもApacheなどのオープンソースを利用している。「オープンソースは世界中で開発が進められており、クオリティが高いだけでなくバグフィックスも早い。また、自分たちでソースコードを見ることができるメリットは大きいし、低コストなのも魅力」(日原氏)。

主要なハードウェア、ソフトウェア構成

使用ハードウェア

  • アプリケーションサーバ Sun Enterprise 5500(CPU:Ultra SPARC、メモリ:1.2GB、HDD:8GB)
  • データベースサーバ(メインDBサーバ) HP K220(CPU:PA7100×2、メモリ:1GB、HDD:90GB)
  • データベースサーバ(サブDBサーバ) 自作PC(CPU:Pentium II-450MHz、メモリ:256MB、HDD:13GB)

使用ソフトウェア

アプリケーションサーバ

  • Solaris 2.6
  • Apache 1.3.6

データベースサーバ(メインDBサーバ)

  • HP-UX 11.0
  • Oracle8 Enterprise Edition 8.0.5

データベースサーバ(サブDBサーバ)

  • redhat Linux 5.2J
  • Oracle8 Workgroup Server 8.0.5
図1 「K-planet」の構成図。クボタの生産拠点の発注情報はデータセンターのデータベースサーバに蓄積される。協力工場はWebブラウザからデータセンターにアクセスし、発注情報を取得する

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