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1999年09月22日 00時00分更新

文● 池田篤司

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 カナダのバンクーバーでは、夏が幕を閉じようとしている。今年の夏は天候が悪かった。バンクーバーにやって来た観光客も、さぞかしガッカリしたと思う。雨と曇り攻撃でイライラしていた人がたくさんいただろうが、お蔭で僕は落ち着いて仕事ができた。晴れてしまうと、どうも仕事が手につかない性分なのだ。ついでにバンクーバーの裏観光ポイントを紹介しよう。

 まず第3位はイングリッシュ・ベイ。ここには、夏の間いろいろな芸人が集まって来るので面白い。観光のメッカ「ロブソン・ストリート」もよいけど、海風に当たりながら、のんびりと歩くのも悪くない。

 第2位は、日没時にスタンレーパークから見るライオンズゲート・ブリッジ。これは、ブリッジを飾る白いライトが幻想的な演出をしてきれいだ。

 第1位は何といっても、グラウス・マウンテンのナイター・スキーである。グラウス・マウンテンは、バンクーバーのダウンタウンから車で20分の近場にあり、スキー場の斜面からそのダウンタウンが一望できるのである。このダウンタンの町の灯が、冬の透き通った空気の中に浮かび上がり、不思議な美しさがある。ウィスラーの大自然に囲まれた景色もいいけど、ここはまた違ったよさがあるので一見の価値あり。

 突然、前回の話から飛躍してしまうが、Stormixでは、今、何が起こっているのだろう。計画は、βリリース2、βリリース3、そして製品版を年内中に出すことである。Corelもβテスターを募集しているが、このままだとCorelとStormixで一騎打ちなんてことになるんだろうか? プロダクト・マネージャーのブルースが、英語版Storm Linuxの魅力的なバンドル・ソフトを考えているので、そう簡単に負けはしないだろう。少なくとも北米では、Storm Linuxは欲しくなくとも、このバンドル・ソフトが欲しいいために「Storm Linux」を買いたい連中がでて来るかもしれないという代物である。ブルースが旨く話を進めてくれることを祈っているのだ。:-)

 βリリース2は、地元のLinux ユーザーグループのために、リリース1のバグ修正版としてリリースする。10月の頭で、βリリース3を出して、このバグ修正版が製品版となる。とりあえず、目の前にある目標はβリリース2を出荷することでみんな開発を進めている。

 スティーブが、ハードウェア自動検出を手直ししている。これで、もっとたくさんのハードウェアが自動検出されるようになるだろう。

設定画面全体画像
Storm Linuxの設定画面全体

ネットワーク設定画面
Fig.1 ネットワークの設定

 ディーンとランディが、ネットワーク設定、ダイヤルアップ 設定のモジュール等を SIL を使って作っている。

ダイアルアップ設定画面
Fig.2 ダイヤルアップの設定

 ケビンは、マウス自動検出のアルゴリズムをちょっと変えた。リリース1よりももっと分かりやすくなった。そして、X Windowのコンフィギュレーションを修正した。X Window Systemの設定で、選択したXサーバのテストができるようになった。これで、リブートしたときに確実にXサーバが起動されるようになるだろう。

 もう1人のケビン(Stormixには2人のケビンがいる。1人は、プロジェクト・マネージャで、もう1人は、ウェブ・マスター)は、ZOPE (http://www.zope.grg/)を使ってStormix のウェブサイトを構築し、今もどんどんサイトを大きくしている。ZOPEとは、フリーでオープンソースのウェブ・サイト構築アプリケーションだ。COLD FUSIONと似ているが、ユーザーインターフェイスはすべて頑固にWebブラウザを通しているので、ちょっと無理がある面もあるが、フリーなので文句は言えない。また、雑誌 「MUXIMUN Linux」に、はじめて Stormix の広告が載った。これは、ケビンが作った。

 自分の会社の広告を褒めるのもなんだが、ほかの広告と比べたらちょっと粋である。

Storm Linuxの広告Fig.3 Maximum Linux に掲載された広告

 さて、僕は何をしているかといえば、ネットワーク機能を強化した「Storm Linux Ver2.0」で使われる、SATコマンドを作成している。Ver1.0では、メモリ管理やスピードのことがお座なりにされていたので、この部分の強化と、HTMLも取り込めるようにすることが今回の目玉機能である。このHTMLの機能はヘルプシステムを作る時に使うつもりである。そして、βリリース3ができたら、日本語版 KDE、Mule、XEmacs、Wnn、Canna、sj3、などを取り込んで、一部を日本語化してリリースする計画である。SAS system Ver 1.0 は2バイト文字に対応してないので、インストール部分は、どうしても日本語化できないのが残念だが、「準日本語版 Storm Linux」は年内にできるだけリリースさせたいと思っている。

 こんな感じで「Storm Linux Ver1.0」のリリースに向けて、みんな頑張っている。Stormix内の雰囲気も今一番よいと思う。小さくともディストリビューションの会社の中では一番まとまっているのではないだろうか。そんな連中が作る 「Storm Linux Ver1.0」はきっとよいものになると確信しているのだ。

池田篤司(いけだあつし)

プロフィール

池田氏の写真

 工学院大学情報工学コース卒業後、1990年(株)PFUに入社し初めてUNIXを知る。SystemV系リアルタイムOSのカーネルの開発、保守に携わる。1994年、不況の中強気で会社を辞め渡加。
 1997年にLinuxを使い始める。1998年、Netnation Communicationsに入社し、1999年にStormix Technologiesが設立され移籍する。

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