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SH-3に移植されるLinux

1999年08月23日 22時56分更新

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 日立のプロセッサ「SH-3」へのLinuxの移植が進んでいる。

 新部氏は19日、Windows CEの動くPDAにLinuxを移植しているLinuxCEメーリングリストで、SH-3上にLinuxカーネルを移植していると投稿した。まだドライバはほとんどないものの、コンテキストスイッチ、システムコール、シグナルハンドリング、ページング、タイマ割り込みはきちんと動いており、次はGNU libcの移植に取りかかるという。

 新部氏が移植に取り組み始めたのは昨年の夏から。しかし、今年の6月にSH-3の評価/組込み用ボード「SH-3評価キット」を京都マイクロコンピュータから購入するまで実機は持っておらず、それまでのあいだCPUのアーキテクチャの調査やクロスコンパイル環境の構築のほか、こまごまとした関数を書いたりしていた。実機を手にしてから、GDB(GNU Debugger)に手を加えてデバッギング環境をととのえ、本当の作業を開始した。新部氏の投稿によると「CPUを読んで理解するのに多くの時間を費やした。コーディングの時間は少しだけで、デバッギングにはたくさんかかった」そうだ。

 新部氏と同時に、John Hassey氏とStuart Menefy氏もSH-3への移植を進めている。この作業は別々に行われているが、中でも一番移植が進んでいるのは新部氏によるものだ。

 SHプロセッサは、組み込み用途のほか、日立のPERSONAやHPのJornadaといった一部のWindows CEマシンに使われている。LinuxがSH-3で動作するようになれば、これらのWindows CEマシンにLinuxが移植される可能性が高くなるだろう。しかし新部氏がたずねてみた限り、日立からWindows CEマシンの情報を提供してもらうのは難しそうだったという。

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