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Linux World速報 3日目レポート

1999年08月13日 14時18分更新

文● 宮原 徹

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「Linux World速報」は、普段日刊アスキー Linuxでコラム「ソフトウェアベンダーから見たLinux」を執筆中の宮原 徹氏に現地の模様をレポートしていただきます。

み。です。

8月12日(木) 曇りのち晴れ

 LinuxWorldも今日が最終日。基調講演や招待講演もないので、今日は展示会場で見落としがないか、もう一度くまなく見て廻ってみました。

 最終日となると、各ブースともノベルティグッズの最終処分とばかりに気前よく来場者にTシャツやらCD-ROMやらを配布しています。

 今回の展示会では、来場者はまず1階にあるレジストレーションコーナーでPCを使って、自分のプロファイルを入力します。すると、磁気カード型の入場者証をもらえます。これを首にぶらさげて歩き回り、ノベルティを貰ったりする時にはカードをリーダーに通してもらいます。すぐにデータベースからその人のプロファイルが引き出されて、誰がブースを訪れたのか分かるというわけです。これで名刺がなくなってしまってグッズが貰えない、なんてことはなくなります(笑)

 それでは、今日見かけた面白いものを。

Sun Microsystemsのブースにて、SPARC版のCaldera Open Linux2.2が動いていました。ここに来てCalderaは非常に積極的な動きを見せており、MCG(Motorola Computer Group)、LINEO(旧Caldera Thin Clients)と共同で組み込み系のソリューション提供を発表しています。Motorolaが絡んでいますので、当然PowerPCへの対応も視野に入ってきますから、Open Linuxは今後、幅広いアーキテクチャに対応していくことになりそうです

PFUのブースでHappy Hacking Keyboardと同時に出展していたのが、このカードサイズのマザーボード。なんとこのサイズでオンボードでMMX Pentium-233MHzが搭載されています(写真中央の切れ込みの左下に見える白いものがCPUとヒートシンクとをくっ付けているグリスです。)これなら世界最小のクラスターマシンが作れそうですね。製造元はCELL COMPUTING

なにやら不思議な祭壇に祭り上げられているマシンはPATMOSのPerpetua Parallel Server。ファンが付いているのが1個1個のノードになっており、動作中でもホットスワップ、入れ替えが可能だとか。ハリウッドのCG関係者からも引き合いが来ているそうです。一体裏側がどのように結線されているのか見せてほしかったのですが、この祭壇、重量制限ぎりぎりだそうで、人が2人同時に乗ったらどうなるか分からないので見せられないと。本当かどうか分かりませんが、そんなに重いのだったら、普通に下に置けばいいのにね

まるでハッカーのサロンのようになっているのはVA Linuxのブースの裏側。ペンギンのTuxの絵が印刷されたクッションがナイス! しかし、会話もしないで、みんなノートパソコンを覗き込んでいるようすは、傍から見るとちょっと変?

会場にかき氷屋さん出現。San Joseはそんなに暑くないのに、無料でかき氷が食べられるとあって、屋台の前の列が途絶えることはないのでした。Magic Softwareのブースにて

今回のイベント全体の印象

今回の出展でも、非常に多くのベンチャー企業が出展していました。オープンソースのワープロを開発しているAbiSourceのブースでは寄付を求めていましたが、ビンの中には何も入っていませんでした。

一方、会場の外側ではRedHat Softwareの株式公開が話題になりました。今回の展示会では、CalderaやTurboLinux、Corelといった他のディストリビューションベンダーの熱心な展示や活動に比べると、RedHatはそれほど目新しい発表や展示もなく、Bob Young氏もまったく会場に現われないなど、「熱気」「やる気」を感じさせず、マネーゲームに奔走しているような印象を与えてしまいました。このような一種のコミュニティのお祭り的な時期に合わせてのそのような行動が今後の同社に対してどのような影響を及ぼすのか、オープンソースやLinuxのムーブメントのあり方を考えるという意味では印象的なイベントになったのではないでしょうか。

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