みやはら@にほんおらくるです。日本オラクルという会社でLinux関係のマーケティングをしています。「ソフトウェアベンダーから見たLinux」というテーマで、私のまわりで起きたLinux関係の出来事を中心に思いついたことを徒然なるままに書いていきたいと思いますので、よろしくお付き合いください。 挨拶はこれぐらいにして、さっそく最近の私の周りの出来事を。6月23日に東京・青山ダイアモンドホールで「Linux Business Solution Seminar」が開催されました。私も自社の社長(佐野力氏)が基調講演に出て相変わらず過激な発言をしたり(笑)、自分自身もセミナーで話をしたりと大忙し。
今回のセミナーで一番大きかったのは、ロータス社から、グループウェアのLotus DominoのLinux版出荷が正式にコミットされたことでしょうか。この発表に先立ってノベル社からNDS for Linuxの出荷予定もアナウンスされ、サーバ分野でのLinuxの活用範囲が着々と広がっていくわけですが、クライアントとしての広がりはATOK for Linuxぐらいと、少々弱いような気がします。
個人的には、普段仕事で使うソフトは9割ぐらいがメールやブラウザ、残りの1割ぐらいがプレゼンテーションソフトでしょうか。 メーラはEudoraを使っています。これのおかげでいまだに机の上からMacintoshを手放せません。これ以上の使いやすいメーラがないと、ちょっとメール環境をLinuxに移すことはできそうもありません。
プレゼンテーションソフトはPowerPointです。Linux関係のマーケティングをしているくせに、なんでMicrosoftの製品なんか使ってるんだ、と言われそうですが、代わりになるソフトがLinuxにないのでしようがないですね。
サーバの場合、ファイルサーバだったりDBサーバだったりと、ある特定機能の専用機になりやすいため、そのために必要なソフトが動くならば、あとはシステムの規模や予算といった点から違うOSになることがよくあります。LinuxはWindows NTという分かりやすい競争相手がおり、コストパフォーマンスや安定性といった点で確実にサーバ分野では普及していくでしょう。
ではクライアントはどうかというと、まだちょっと乗り換えるには早いかな、という感じがします。GNOMEやKDEといったGUIですらまだまだ未完成という状態で、Linuxの現状は残念ながらWindowsやMacに比べて5年は遅れているのが実情でしょう。まぁ、5年と言ってもすでに誰かが通ってきた道ですから、より短時間で追い付くことはできるでしょう。この期間をどれぐらい短縮できるか、これからの連載で注目していきたいと思います。
(宮原徹)