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Red Hat Linux、次期バージョンのデスクトップ環境に“GNOME”を採用

1999年01月08日 00時00分更新

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米Red Hat Software社は、4月または5月にリリースを予定している『Red Hat Linux』の次期バージョンにおいて、GNUプロジェクトで開発されている“GNOME”(GNU Network Object Model Environment)を採用すると発表した。“GNOME”は、GNUプロジェクトが開発している、X Window System上のデスクトップ環境で、ツールキットとして“gtk+”が利用されている。X上のデスクトップ環境としては、ノルウェーTroll Tech社が開発した“Qt”と呼ばれるツールキットで構築された「KDE」もあり、GNOMEとともに、Xのデスクトップ環境としてユーザーの期待を2分している。

[コメント]

X Window System上には、これまで、標準的なドラッグ&ドロップの機構が用意されていなかったが、この『GNOME』や『KDE』の登場によって、Windowsでは当たり前の機能が、ようやくX上で標準的に提供されようとしている。これまでは、すでに1.0をリリースしているKDEが、『S.u.S.E.』というLinuxディストリビューションで採用されるなど、やや優位かと思われていた。しかし、ここへきて、もっともポピュラーなディストリビューションである『Red Hat Linux』がGNOMEの採用を決めたことで、GNOMEの普及にも弾みがつきそうだ。もちろん、Linuxに数多くのディストリビューション(Linux Basics (1)を参照)が存在するように、デスクトップ環境も複数の種類があって構わない。しかし、ユーザー心理として、どちらがどれだけシェアを獲得するのか興味津々というのが本音だろう。GNOMEは、春にはいよいよVer.1.0がリリースされる見込みで、これからしばらくは、Linux(X)上のデスクトップ環境がホットな話題となるだろう。

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