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【風穴 江のLinux Expo'99 report vol.2】HPがIA-64対応Linuxをデモ

1999年05月25日 00時00分更新

文● 風穴 江

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“report vol.1”に続いて、20日(現地時間)から米ノースカロライナ州のラーレイ(Raleigh)で開催されている“Linux Expo'99”のレポートをお届けする。今回は、展示会場の様子を中心に取りあげてみたい。

会場には熱気があったが、展示内容はイマイチ

Linux Expoが開催されている“Raleigh Convention and Conference Center(RCCC)”の中では、基調講演などを行なうアリーナに次いで大きなホールが、展示会場として割り当てられていた。だが、それでも驚くほど大きいというわけではない。見通しがあまりきかないのは天井が低いせいだとしても、むしろ、狭いと言ったほうがいいかもしれない。そこに、時間によってはかなりの人が押し寄せたため、その熱気はなかなかのものだった。

今回の展示会場で最大級のブースを構えたIBM

Linux Expoの展示会に出展していたのは、本やソフトウェア、各種グッズ類を販売しているショップなども含めて、約90社。数えてみるとかなりの数だが(ちなみに、今年3月に行なわれた日本のLinuxWorldの出展社は約50社)、1つひとつのブースの大きさは小さく、やはり普通のWindows系のイベントなどに比べると、見た目の派手さはあまりない。

さすがに米Red Hat Software社や米IBM社などは、それなりに大きなブースを構えていた。ただ、Red Hatのブースは、その中でパートナー企業に展示スペースを与えていたので、実質的なアピール度は低かった。

IBMと並んで大きなブースだったが、実質的にはこじんまりとした展示だった米Red Hat Software社

米コンパック・コンピュータ社も、それなりの大きさのブースを確保していたが、ほとんど展示らしい展示はなく、Alphaサーバーが入口にドンと置かれているだけ。残りのスペースにはソファなどが置いてあって、出展側の人間がそこで談笑しているだけで、ロクすっぽ説明もなし。何か、アリバイ的に出展しているだけという感じがした。

Linux Expoの来場者は、どちらかというと、Linuxプロフェッショナルな人たちが多いので、細かい説明は不要と考えたのかもしれないが、どこか投げやりな印象を受けてしまった。

Linux on Alphaサーバーをデンと展示しているだけのコンパックブース

また、有名どころでは米アダプテック社もブースを構えていたが、こちらでもあまり新味のある展示はなかった。同社の製品に値札を貼って積んであったので、むしろ、ショップとして出展したような感じさえ受けた。

HPはLinux for IA-64をデモ

そんな中、1番興味をひかれたのは、米ヒューレット・パッカード社のブースで展示されていた『Linux for IA-64』だ。これは、インテルがHPと共同で開発中のIA-64プロセッサー上で動作する64bit版Linuxで、おそらく、一般向けには初公開だと思われる。

IA-64というアーキテクチャーを採用したプロセッサーは、第1弾として開発コード名“Merced”と呼ばれている製品が来年登場する予定となっている。HPは、IA-64を塔載したサーバー製品を投入する計画を明らかにしているが、そこで採用されるのがMercedかどうかについて、言葉を濁している。

HPの展示は、Linux for x86上で動作しているソフトウェア『IA-64インストラクションセットシミュレータ』上で、Linux for IA-64を動かしてみせるというデモ(ちょっと、ややこしいが)。きちんと、Linuxとしてブートすることができ、ネットワーク関係のソフトウェアも、かなりポーティングが進んでいるようだった。途中、pingコマンドでIPアドレスを直接指定するとcoreを吐いて異常終了するといったバグもあったが、総じて、なかなかよく動いていたという印象を受けた。

HPの説明員は、IA-64プロセッサが実際に市場に出るのと同時に、Linux for IA-64をリリースできると自信たっぷりの口調で語っていた。

Linux for x86上の『IA-64インストラクションセットシミュレータ』で動いているLinux for IA-64(指を差しているターミナル画面)

商業的な展示会としての意味は薄いLinux Expo

これ以外では、米SGI社が、今年初めに発表した自社製のWindows NT対応パソコンでLinuxをデモしていたのが目を引いたぐらい。これも、すでに動作していることはアナウンスされており、目新しさという点ではもう1つというのが正直なところ。もしやと思ってXサーバーについて質問したら、やはり、独自のグラフィックスサブシステム用のアクセラレーションコードはまだできていないということだった。

もともとが、ユーザー主導で開催されてきたという背景もあってか、やはり、これまでの商業的なイベントを想像していると、違和感のギャップはかなりある。

しかし、その分、参加者のほとんどはLinuxを実際に使っていて、かなりの知識がある人たちばかりのようで、各ブースでの質問などでも、相当に突っ込んだ内容のものが多かった。また、出展社側の人間と来場者との意識の垣根が低く、お互いに同じ立場であれこれ議論するような場面も、会場のあちこちで見かけられた。そういう意味でも、Linux Expoは、“Linuxersの、Linuxersによる、Linuxersのためのイベント”と言えるだろう。

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