センドメール(株)は、同社の開発したSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)サーバーソフト『sendmail』日本語版の国内代理店3社を発表した。代理店はプラットフォームごとに3社に分かれており、Winodws NT版の『Sendmail with POP3』は(株)アスキー・ネットワーク・テクノロジー、UNIX版の『sendmail Pro for UNIX』はトランス・コスモス(株)、Linux版の『sendmail Pro for Linux』はパシフィック・ハイテック(株)が担当する。各社は、担当する製品の国内におけるマーケティング、販売、サポートを実施する。センドメールでは、代理店との提携により日本市場における同製品の市場拡大を図る。
sendmailは、大手のインターネットサービスプロバイダー(ISP)などでも採用されているオープンソースソフトウェア。しかし、設定ファイルの編集に専門知識を必要とし、ユーザーサポートも用意されていないのが現状だった。今回、各社から販売される製品は、ヘルプファイルを日本語化しており、ブラウザーを使ったグラフィカルな設定ファイルの編集が可能となっている。
製品の価格は『Sendmail with POP3』が8万9800円。『sendmail Pro for UNIX』および『同 Linux』の価格は現在のところ未定だが、NT版と同程度の価格になる予定。発売は8月以降を予定している。
sendmail Proのパッケージ |
センドメールのGreg Olson(グレッグ・オルソン)代表取締役社長は、今回の発表について次のようにコメントした。
「日本市場におけるsendmailのシェアは非常に高い。今回のプラットフォームごとに分けたパートナー戦略で、日本における製品、サービス、サポートの迅速な提供を目指す」
オルソン氏 |
また、各代理店のコメントは次のとおり。
アスキー・ネットワーク・テクノロジーの小林亮一取締役は、「我々はセンドメール社の設立以前から米MetaInfo社のSendmail for NTの販売代理店だった。ANTは、'98年にセンドメールがSendmail for NTを買収する以前から、この製品を取り扱ってきた実績がある。NT版sendmailのリーダーとして、ほとんどのトラブルをサポートできると確信している」と語った。
ANTの小林氏 |
トランス・コスモスの船津康次常務取締役は、「この4、5年でインターネットの与えるインパクトは非常に増大した。我々のビジネスモデルはウェブコマースソリューションと呼ばれている。このビジネスにおいて電子メールの利用は重大。senamailは数あるSMTPサーバーでも1番興味のある製品だ」と述べた。
トランス・コスモスの船津氏 |
パシフィック・ハイテックのCliff Miller(クリフ・ミラー)代表取締役は、「我が社はLinuxのディストリビューションパッケージ『TurboLinux』の開発元である。sendmailはオープンソースという点でLinuxとよく似た製品だと思う。TurboLinuxとsendmailをどのように販売戦略して行くかが今後の課題になる。最近になってLinuxのビジネスに、IBMやNECといった多くの大手メーカーが参入してきた。センドメールが参入した今、Linuxの世界がどのように発展するか楽しみだ」とコメントした。
パシフィック・ハイテックのミラー氏 |