質の高いコンテンツの作成に時間を費やしても、プロモーションに時間をかけていないのなら、コンテンツマーケティングでは負けも同然です。
コンテンツマーケティングの目的はオーディエンスを得ることです。そして、オーディエンスを得られるのはコンテンツが消費者の手に渡ったときだけです。コンテンツを利用する人が増えれば増えるほど、オーディエンスの規模も大きくなるのです。
Social TriggersのDerek Halpernは、コンテンツの宣伝に80%、制作には20%の時間を使うというルールを発表しています。その理由はいたって単純で、ほとんどの人が知らないようなコンテンツをたくさん作るより、すでにあるコンテンツの宣伝やEメールリストの作成に費やすほうが賢いからです。コンテンツの持つROI(投資対効果)を真の意味で最大化するにはこれしかありません。
「製品を作ればお客が来る」のではないのと同様に、「コンテンツを制作すればお客が来る」のではないということです。そう、コンテンツを宣伝しなければならないのです!
ここで、「では、コンテンツをどうやって宣伝するのか」という鉄板の疑問が生じます。
この記事ではコンテンツを宣伝して、Webサイトにもっと多くのトラフィックを呼び込むための5つの戦略を紹介します。では、始めましょう!
戦略1:コメントやシェアをしてもらえるよう働きかける
宣伝を計画しているコンテンツと似たコンテンツにコメントやシェアしている人に働きかける戦略です。つまり、自動運転についてブログを書いたら、同じようなトピックでソーシャル・エンゲージメントを得ている投稿にコメントやシェアしている人に働きかけて、自分のコンテンツについての意見を聞いてみるのです。そうした人びとは以前にも同じような内容の投稿にエンゲージしたことがあるので、自分の投稿にもエンゲージしてくれる可能性がとても高くなります。
次のブログ投稿についてのコメントを見てください。594件のコメント、848件のツイート、そして878件のFacebookシェアがあります。コメントユーザーのほとんどがソーシャルメディアまたはDisqusのようなコメントプラットホームにつながっているので、そうしたユーザーに働きかけて記事について知ってもらうのは簡単です。
記事に興味のあるオーディエンスがいて、コンテンツを宣伝してくれることがどれだけ心強いか、想像してください。オーディエンスからのコメントやフィードバックの価値は計り知れず、コンテンツの宣伝にとってはすばらしい方法になります。記事を読んでソーシャルメディアでのエンゲージメントを高めてくれる可能性が高くなるので、取り上げたトピックにすでに関心を持っている人を呼び込むのは、コンテンツ宣伝戦略として優秀なのです。
コメントによるマーケティングを活用すると、参加している分野で「専門家」として名を馳せられます。その領域の専門家として深い意義のある質問をしたり、知識を共有したりすれば、その分野でのオピニオンリーダーの座を獲得できて、多くの人がWebサイトにアクセスしてコンテンツを利用するように宣伝してもらえるのです。
戦略2:有料広告を使う
ソーシャルメディアでコンテンツを宣伝するため、有料広告を利用する方法はいつでも使えます。たとえば、FacebookやTwitterの広告、スポンサー投稿、LinkedInの有料広告などです。広告によって投稿の露出を増やし、「ニュースフィード」やオーディエンスのソーシャルメディアのプロフィールに投稿を表示できます。
リマーケティングは、一度でもブログやコンテンツを閲覧した人にあとから広告を表示できるため、コンテンツ宣伝には特に役立ちます。リマーケティングが功を奏す理由を裏付けるのは、人が特定のアクションを起こすまでに見るマーケティングメッセージの回数は最低7回という理論です。これは「7回の法則」と呼ばれています。
リマーケティングにより、最大で1カ月に10日~18日間の間、コンテンツ訪問者の84%近くにリーチできます。記憶に残るブランドを作るにはとてもパワフルなことです。前もってGoogle ディスプレイ ネットワークを使い、カスタマー心理に残るようにしておいてください。Google ディスプレイ ネットワークでは、下にあるように、Adsenseパブリッシャーネットワーク、プレミアムパブリッシャー、そのほかの多くのグーグルのWebサイトをカバーしています。
プロモーションコンテンツと広告が違うのは、プロモーションコンテンツはたいていカスタマーの問題解決に使われるという点です。たとえば、誰かがクリスマスのホームデコレーション方法を探しているとき「クリスマスに家を飾りつける方法」という電子書籍がGoogle ディスプレイ ネットワークで宣伝されていれば、「クリスマスのインテリアデコレーションサービス」を宣伝するGoogle広告でクリックを稼ぐよりも効果が得られます。人は自分の利益になるかどうかを知りたがっていて、コンテンツはその姿勢を見せるための抜群の方法なのです。
戦略3:エクスパート・ラウンドアップ記事の投稿
エクスパート・ラウンドアップ記事とは、コンテンツ作成過程から専門家に参加してもらい、専門家の見識、コメント、情報提供が含まれている記事のことです。デジタルマーケティングについて記事を書くとしたら、Neil PatelやAvinash Kaushikなどその業界のトップからの見識を取り入れれば大量の読者を呼び込めます。
戦略3がすばらしい理由は、トップレベルのインフルエンサーとコネクションを持てることです。記事の執筆過程でインフルエンサーを取り込むことで、インフルエンサーが持っているネットワークを活用し、そのネットワークから自分のWebサイトへのトラフィックを生み出せるのです。これは本当にWin-Winの関係です。
また、インフルエンサーがブログ記事を紹介することで、インフルエンサーのブログやWebサイトからのリンクを得たり、SNSで自分のコンテンツをシェアしてくれるよう頼んだりもできます。インフルエンサーはソーシャルでのフォロワー数が多いので、莫大なソーシャルエンゲージメントを生み出せます。
ソーシャルで多くのフォロワーを抱えるインフルエンサーのリストを探すには、FollowerwonkやBuzzStreamが使えます。一番大事なのは、フォロワーたちの質と、彼らが自分のコンテンツにどれくらい興味を持っているかです。インフルエンサーのフォロワーを研究し、SNSまたはメールでインフルエンサーと連絡を取ります。インフルエンサーのブログ記事に引用をお願いするのがうまいやり方です。BuzzStreamでは、検索をしている特定のニッチで有名なWebサイトやブログを次のように表示してくれます。
インフルエンサーに連絡をするには、次のメールテンプレートが使えます。
インフルエンサーを取り入れたマーケティングは、時間やお金の投資対効果が大きな手法です。インフルエンサー・マーケティングに1ドル投資すれば6.50ドルの見返りを得られるという統計があるほどです。見逃している余裕はありません!
戦略4:LinkedInやFacebookグループを活用する
コンテンツをもっとも賢く活用する方法は、コミュニティを作ることです。コミュニティを作るということは、メールリストの作成だけでなく、ソーシャルメディアでのフォロワー数を増やすことも意味します。自分のトピックに関してFacebookやLinkedInにグループを作って参加してもらい、やりとりを通してコンテンツをシェアしてもらうのです。
必ずしも自分でソーシャルグループを作る必要はありません。なにか販売しようとでもしないかぎり、既存のオンライングループでコンテンツをシェアするという方法もあります。大切なのはオフラインと同じように、ソーシャルグループに参加して発言することです。グループに資する存在になり、必要に応じて自分のコンテンツをシェアすれば歓迎され評価されます。
自分でグループを作成するという道を選ぶのなら、最初は1000人のメンバーを得るというのが、コンテンツのROIを評価する前の大きな目標となります。またもう1つ気をつけたいのは、コンテンツに対しては「素早く」「無駄のない」アプローチを取ることです。高レベルのコンテンツを配信し、そこから得られた結果とエンゲージメントを評価し、結果に合わせてコンテンツ制作過程を微調整していきます。パフォーマンスの高いコンテンツに投資し、コンテンツ制作過程の不必要な作業を減らすには抜群の方法です。
戦略5:ゲストブログと逆ゲストブログに挑戦する
ゲストブログは、著名な著者にコンテンツを自分のブログに投稿してもらえれば、たくさんのいいねやシェアが得られるという戦略です。人気コンテンツクリエイターに寄稿してもらうのは、既存のコンテンツ宣伝にはすばらしい方法です。有名なコンテンツクリエイターが自分のブログに寄稿してくれていることが知られれば、多くの人がブログの存在に気づき始めます。
ゲストブログがうまくいかなかった場合は、単純にその逆を試してください。逆ゲストブログはやってみる価値はありますし、自分のブログを情報の重要な発信元にできます。
ゲストブログ戦略は、ブログに記事を書いてくれる優秀なライターを探すのが大変な作業になります。個人的にコンテンツを楽しんでいるライターすべてにアプローチしてください。優秀なライターにアプローチするには、Twitterを経由するのが効果的です。注目しているライターから関心を得られれば、ブログに定期的に寄稿してもらうための必要な関係を築けます。
このプロセスで大事なのは、「Win-Win」となるようなシナリオを積極的に作ることです。レベルの高いライターに、なにも見返りを提供せずに記事を書いてもらおうとしてもうまくいきません。ライター側の視点に立って「これで彼らはなにを得られるのか」という考え方を持ってください。そうすることでやっと、お互いにメリットのある戦略となるのです。
最後に
ほかのデジタルマーケティング戦略と同様、良質なコンテンツプロモーション戦略ではペイドメディア、オウンドメディア、アーンドメディアのチャンネル全体での包括的なアプローチが必要です。適切なチャンネルで正しいタイミングを見計らって、戦略的PR関係や有料メディアとコンテンツ配布のバランスをとることで、コンテンツマーケティング投資からの見返りを最大化できます。
(原文:5 Ways to Drive More Traffic to Your Site with Content Promotion)
[翻訳:加藤由佳/編集:Livit]