WHSの秘密 番外編
――サーバーにもセキュリティー対策を!
林氏に続いて登壇したのが、カスペルスキー日本法人の保科貴大(ほしなたかひろ)氏。技術部シニアサポートエンジニアという肩書きとは思えない軽妙な語り口で、会場を不思議な世界(ロシア風の話術?)に誘った。
カスペルスキーは、数少ないWHS対応セキュリティーソフトを市販している会社で、ロシア本社に掛け合って、日本だけで販売したのだという。当初は「そんなの数が出ないからやめとけ」と止められたが、「カスペルスキーは危険なところに進んで打って出る会社じゃないのか!」と逆にけしかけて、強引に販売にこぎ着けたのだという。「だから皆さん、ぜひ買って下さい。5月にはカスペルスキー本人も来日します」と最後はお願いモードになっていた。
さらに、WHSにセキュリティーソフトを導入する理由として、ASCII.jpの自作PCサイトを引き合いに出し、「この左サイド(ランキング一覧)に、ほら何か(iP●d)によく似たものが載ってますよね。こういう怪しいの、好きなんですよ」とUSB接続の携帯プレーヤーを指した。
カスペルスキー日本法人でも、台湾出張のお土産として「iPod」と堂々印刷された“まるで違う”携帯プレーヤー(笑)を買って帰った社員がいて、「どう考えても、アップルのお膝元で作るはずないのに、『Made in USA』って書いてあるんです。怪しいですよね」と前置きした上で、「これをPCにつないだら、毒(ウイルス、マルウェア)が入ってたんです」とUSBデバイス経由での感染の怖さを示した。WHSは、PCレスでUSBメモリープレーヤーなどに楽曲を転送できるのもメリットだが、反面こうした脅威に直にさらされる危険もある。
そのため、ウイルス対策はPCだけでなく、サーバー側にもしっかりかけておくべきと、実例を挙げて示した。
最後に「1つだけ、ロシア語を覚えて下さい。『スパシーバ』(ありがとうございました)」と来場者を巻き込んで大合唱し、カスペルスキー色に会場を染め上げた。