LED照明以外の省電力手段は?
LED以外にも照明の消費電力削減は大きな課題となっている。例えば、高効率の蛍光灯はそれだけで従来型より消費電力を半減することができる。LED照明にこだわらず、今すぐオフィスの電力削減を考えるならば、どこにどれだけのメリットがあるかを考えつつ手段を選ぶべきだろう。
また、LED以外の照明方法の模索もすでに始まっている。特にNECは冷陰極蛍光管を用いた照明を提言しているのが目を引いた。LEDの店舗用照明でも細い管にLEDを並べた「たなライト」を用いるケースが多いが、点光源のLEDを並べるよりも線光源である冷陰極蛍光管のほうが、メリットは活かせるだろう。消費電力的にもLEDと同程度もしくはより少ない程度となるという。
さらにNECをはじめ、複数の企業が有機ELの可能性を模索し始めている点にも注目したい。面全体が発光する有機ELなら散光の工夫が要らず、デバイスそのものが薄くて形状の自由度も高い。省電力性も高くて発熱量も少ない(LEDは蛍光灯よりも少ないとはいえ、半導体なので発熱が少なからずある)。
いまや実用段階に入ったLEDに比べれば、まだまだ研究・試作段階ではあるものの、オフィスや家庭での照明デバイスとして普及する可能性は高いだろう。
もちろんLEDも次々に高効率な素子が開発され、配光技術も進みつつある。それに対して既存蛍光灯の技術改良もまだまだ余地を残しているため、現状の技術や数年先の製品を見越したで上で、照明装置の導入・リプレイス・照明を含めたオフィスや家屋の設計を考えることが重要だ。
Japan Shop 2009で見つけた逸品
写真はちょっとおもしろかった、「Japan Shop 2009」会場で見つけた3Mブースのデジタルサイネージ。人型のスクリーンに人の動画を後ろから投影してるだけだが、スクリーンと投影角度に工夫されているため、斜めから見てもそれほど平たくは見えない。