サービスプラットフォームとしてのi コンシェル
i コンシェルは、パーソナルエージェントのプラットホーム。初期では前に挙げた一般的な情報提供がなされるが、iモードやiチャネル同様、コンテンツプロバイダーに対して活用してもらうプラットホームでもある。
「主な機能群は4つあります。プッシュで情報を送るパターン、電話帳、スケジューラー、トルカ。それぞれ、年齢・性別・住んでいる地域といった属性情報を活用、タウンページに掲載されている電話番号とのマッチング、ユーザーの行動や趣味嗜好との連携、ケータイ内の情報のリアル連携、といった機能の使い方です」(前田氏)
スケジューラーとトルカに関しては、ユーザーの趣味嗜好が現れる情報がケータイの中に入らなければ情報提供が出来ない。あるいは、世間から情報を取得したときに、その情報をケータイに残す、という行動が定着しなければならない。トルカに対応しているのは、よく行くお店などの情報をケータイに残す手段として、i コンシェルに対応させたそうだ。
「コンテンツプロバイダーは、サービスの雰囲気を見つつも増えてきています。現在240程度(2009年2月末現在)になりました。執事を演じるまちキャラも『ヒツジはクビ』ということであれば、変更できます。おそらく、これは無限になければなりません」(前田氏)
iモード上に載っているi コンシェルであるが、高いクオリティを保ちながらコンテンツを厳選しているiモードとは次元の違うコンテンツ数を揃える必要性を示唆する。「無限に必要」の意味は何だろう?
「i コンシェルは、生活に密着する網羅感の方が重要だからです。自分の生活に欠かせないものというのは、人によって違います。iモードの公式コンテンツプロバイダは1万6000程度ありますが、自分がよく行くクリーニング屋のサービスやクーポン情報を提供しているサービスはありません。地域格差も存在しています。これらも吸収して、余すことなく網羅的にやっていく必要があります。情報提供サイドにも、より細かい解像度で情報を出してもらう必要があります」(前田氏)
前田氏は、「長い道のりであることは分かっている」としながらも、i コンシェルに参加してもらって、継続的な情報提供のメリットを感じてもらいながら、一緒にサービスを作っていけるコンテンツプロバイダーを求めている。
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