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Social IMEの開発者にインタビュー

ゲームキャラから始まったWeb 2.0な日本語入力

2009年03月10日 06時00分更新

文● 岡本善隆/企画報道編集部

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 Windows上で日本語入力時のかな漢字変換を行なうIME。マイクロソフトの「MS-IME」、ジャストシステムの「ATOK」が二大巨頭としておなじみの存在である。しかし、ネット上で日々生まれる新しい造語や表現、ゲームやアニメなどのキャラクター名が加速度的に増加している状況では、標準の変換辞書では(特にヘビーなネットユーザーにとっては)満足できない場面も多い。

Social IME

変換辞書の共有し、みんなで使いやすいIMEを作っていこうとするSocial IME。予測変換機能も装備する。変換をすべてサーバ側で行なうのも大きな特徴

 そこで変換辞書をインターネット上に置き、ユーザー参加型でどんどん単語を追加しようというプロジェクトが、慶應義塾大学理工学研究科の修士課程で学ぶ、奥野 陽氏によって進められている。それが「Social IME ~みんなで育てる日本語入力~」である(関連記事)。

 Social IMEは同サイトで、Windows用プログラムが用意されているので誰でも利用できる。変換辞書だけでなく、変換エンジンもすべてオンライン上に用意されているのが特徴で、ユーザーが入力した文字列は後述するSocial IMEのサーバに送られて、変換結果をネット経由で受け取るという仕組みだ。また、途中まで入力した文字列に対し、続く変換候補を表示する予測変換機能も用意されている。

 登録されている単語はすでに54万語以上。顔文字、アニメ・ゲームのキャラクター、ブレイクしたばかりの芸能人の情報などは得意中の得意。また、変換エンジンが分離されたシステムであるため、Windows以外のクライアントソフトが他のユーザーにより次々と作られており、すでにMac OS XやAndroid用も登場している。

ネットユーザーが単語登録に協力しているだけあって、顔文字やキャラクタ名などは得意中の得意。右はキャラクタの名前を途中まで入力しての予測変換を行なっている

54万語以上登録されているだけあって、得意ジャンルはネットカルチャーやコンテンツ系にとどまらない。来年のお正月も無事に見られるか心配なベテラン漫才コンビに、一部コアな人気の戦国武将の名前まで変換が可能だった

 さて次のページでは、開発者である奥野氏に話を聞いた。

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