国内での採用事例も増え、盛り上がりを見せてきたマイクロソフトのRIA(リッチ・インターネット・アプリケーション)技術「Silverlight」。そのSilverlightを使ったアプリケーションの開発を体験するワークショップ「Visual Studio プロフェッショナルセミナー 最新ウェブアプリ開発」(主催=クリーク・アンド・リバー社、協賛=マイクロソフト)が1月30日夜、開催された。
特別ゲストに女優・松木里菜さんを迎え、デベロッパーとデザイナーが3組・計6名参加して開かれたこのイベント。速報記事(関連記事)に続き、ここでは動画を交えて当日の模様を振り返ってみよう。
良いUXの3要素――マイクロソフトの神原氏
「リッチなUI(ユーザーインターフェイス)の制作となれば、デザイナーが活躍する場面。優れたUIを持つシステムを、デザイナーと開発者が一緒になって作っていく仕事が、今後、増えていくと思います」
こう呼びかけるのは、マイクロソフト デベロッパー&プラットフォーム統括本部の神原典子氏だ。神原氏はワークショップの開始に先立ち、「進化するアプリケーション開発~使いやすくここちよいソフトウェアへ」と題したミニセミナーに登壇。ワークショップに挑戦する参加者らを前に、RIAが求められる背景や同社のRIA技術の位置づけなどを説明した。
従来のクライアント/サーバ型に代わって、企業システムでもWebアプリケーションの採用が進んでいる。だが、クライアント/サーバー型システムに比べるとUIがまだまだ貧弱なケースが多く、「表現力の面で劣っていた」(神原氏)。そこで昨今注目されているのがRIAだ。もちろん、リッチとはいっても、単に「見た目がかっこよければいい」ということではない。より良いユーザーエクスペリエンス(ユーザー体験=UX)を実現し、ひいては企業の生産性を上げていこうというのが、RIAの狙いだ。
神原氏によれば、良いUXを構成する要素は3つあるという。1つめは必要な機能が満たされていること、2つめはユーザビリティに優れていること、3つめは“心地よさ”や“楽しさ”といった「プラスの感情」をもたらすこと――だ。「たとえば、家や車といった身近なものには、これら3つがきちんと考えられていることが多い。一方、ITの世界ではまだまだ不十分です。UXまで考えてサービスを提供すれば、新たな価値と競争力を生むことができるでしょう」(神原氏)。
マイクロソフトでは、UX関連に膨大な研究開発費を投入。WPF(Windows Presentation Foundation)やSilverlightといった新たなRIA技術の開発・提供によってより良いUXの実現に力を入れている。中でも競合他社のRIA技術に比べて、再利用のしやすさやデザインとロジックの分離に特徴があるWPF/Silverlightは、特に大規模な企業向けシステムでの普及を目指しているという。最後に神原氏は「このワークショップでのデザイナーと開発者のコラボを通じて、ぜひ一歩先んじたシステムを作っていただければと思います」と話して、セッションを締めくくった。